ダッカ発 – バングラデッシュを訪問中のバチカン総合人間開発省のミカエル・チェルニー長官が4日、首都ダッカで記者会見し、ミャンマーと国境を接する同国最大の難民キャンプ、コックスバザールでミャンマー政府・軍の弾圧に苦しむイスラム少数民族ロヒンギアの人々と面談したことを明らかにした。
難民キャンプにいるロヒンギャ族の人々の大半は、2017年8月以降にミャンマーから流入した。ミャンマー・ラカイン州で反乱軍の攻撃が相次いだことを受け、国軍が掃討作戦を開始したのが主因。ロヒンギャの人々はイスラム教徒であり、仏教徒が多数を占めるミャンマーで以前から、市民権の剥奪など差別を受けてきた。そして、2021年2月の軍事クーデターで民主政権が崩壊、軍事政権となったことで、虐待はさらにつようまった。
コックスバザールの難民キャンプの人口密度は驚異的で、1平方マイルあたり約10万3600人。バングラデシュ全体の平均人口密度の40倍以上に相当し、世界でも最も人口密度の高い地域になっている。難民たちは広さが10平方メートルにも満たない粗末な小屋に、多い場合は12人もが住まわされている。
チェルニー長官は11月1日から4日にかけてバングラデシュを訪問し、ナラヤンガンジの国内移住者とコックスバザールのロヒンギャ難民と面談した。
その結果について、長官は「二つのキャンプの状況は極めて厳しい。住民は無国籍で、職も無く、何年も、キャンプに押し込められるという、耐え難い状況の中で暮らし続けることを余儀なくされている」と枢機卿は記者会見で述べ、世界の国々や国際機関が「ロヒンギャ問題の解決策を提供できていないのは、本当に遺憾なことです」と語った。
だが、解決の可能性はあり、そのための対話の重要性を強調、「関係当局の対話を維持しなければならない。決して扉を閉ざしてはなりません。意見交換は、解決策の発見に寄与する」とし、ロヒンギア問題への世界的な注目度の低下、援助資金の減少が続いている現状を打開するために、ロヒンギャ難民との連帯を強めるよう、世界各国、国際機関の関係者に訴え、特に「キリスト教系を含む全ての組織が、真のニーズに応え、苦しむ人々への支援を継続しなければなりません」と強調した。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)