
(2025.12.13 Vatican News Kielce Gussie)
12月初めにタイとの間で紛争が再燃した後、カンボジアのバッタンバン教区の使徒座代理は、待降節を迎えた人々の苦しみの中での祈りが「相互の交わりと連帯をより強固なものにしている」と語っている。
タイ・カンボジア国境の両側で今も、激しい衝突が続いている。13日未明の現地からの報告では、双方が爆撃と砲撃の応酬を続けているという。12月初旬に戦闘が再開して以来、少なくとも21人が死亡し、国境の両側で70万人が避難している。
カンボジア・バッタンバン管区の教区長エンリケ・フィガレド・アルバルゴンサレス使徒座代理は、「非常に緊張した時を過ごしています。人々は非常に恐れており、20万人以上のカンボジア難民が避難を余儀なくされている」と語る一方、教皇が10日の水曜恒例一般謁見で、この紛争再燃を取り上げ、和平の実現を訴えられたことが、現地の人々に大きな慰めと希望を与えている、という。
*紛争はカンボジアを植民地にしたフランスが国境線を引いた1907年に始まった
二つの国の間では、過去100年以上にわたって紛争が続いている。カンボジアを植民地にしたフランスが1907年、タイとの間に約800キロにわたる国境線を引いた後、その周辺地域の主権をめぐる争いが始まった。最近ではいったん収まりかけたものの、今年夏、カンボジア兵士が殺害されたことをきっかけに、武力を伴う紛争が再燃した。
タイは国境管理を強化し、カンボジアはタイ映画の上映禁止、タイ産果物・野菜・ガス・燃料の輸入禁止を発動。 10月に両国が和平に合意した後も緊張は治まることなく、12月7日には再び武力衝突が始まった。避難民は約50万人に上るとされている。
フィガレド司教は、「現地の人々は同じ疑問を抱き続けています。どうして事態が悪化したのか?と。要因は、政治的思惑がタイ軍を駆り立てていることにある。紛争を続けることで、国内の結束を取り戻そうとしているのです」とする一方、「それでも、タイ国内でも、若者たちは、このようなやり方を支持せず、平和を求めています」と述べた。
*「世界の人々は私たちの苦境を知っているのだろうか」
フィガレド神父は最近、カンボジアのバンテアイミアンチェイ州の難民キャンプを訪問し、避難を余儀なくされた数百人に人道的、精神的・霊的な支援を行った。キャンプにいる女性、高齢者、障害者、子どもたちからは、「見捨てられた気持ちだ。世界は自分たちの苦しみを知っているのでしょうか」と尋ねられたという。
「だからこそ教皇の言葉は希望の力になるのです。平和を求める人たちにとって、その呼びかけは貴重なもの。カンボジアの現地教会は、この待降節を不安定な状況を『神の手に委ねる時』として受け止めています。苦しみの中での祈りが、相互の交わりと連帯をより強固なものにしているのです」と強調した。
*12月7日からの武力紛争激化で70人以上が死傷、19万人以上が家を追われている
12月7日以降の紛争激化で人道的影響は甚大だ。民間人13名が死亡、60名が負傷、19万人以上が自宅を離れることを余儀なくされた。プレアヴィヘア、オッドルメアンチェイ、バンテアイメアンチェイ、シェムリアップ、バッタンバン、プルサットの各州は、爆撃、ドローンによる爆発物の攻撃、空爆、戦車による攻撃を受けている。
カリタス・カンボジアは現地当局と連携し、6州にまたがる数千人の被災者への支援活動を実施。キム・ラッタナ事務局長は、「3200世帯に対し、食料、水、教育、保護、心理社会的支援を提供している」と説明。さらに、プレアヴィヘア、シェムリアップ、オッドールメアンチェイ、バンテアイメアンチェイの各州で避難民向けに20の新キャンプを設置している。これらのキャンプが「5000世帯向けに1500の仮設住宅、食料支援、衛生サービスを提供し、子供たち大人への心理社会的支援と保護を実施しています」と説明している。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)