・中国政府とバチカン「認識一致」-政府系組織幹部、関係改善に自信

 【北京・河津啓介】中国政府公認のキリスト教カトリック司教組織「中国天主教司教団」の方建平副主席が5日、1951年に断交した中国とカトリック総本山バチカン(ローマ法王庁)の関係改善の動きについて「一定の共通認識に至っており、間もなく合意文書に署名できるはずだ」と前向きな見方を示した。政府系組織の幹部が国外メディアの取材に答えるのは異例。

  司教団は、同じく政府公認の教会組織「中国天主教愛国会」と共に、中国当局の指導を受けた独自のカトリック活動を支える。方氏は北京で開会中の全国人民代表大会(全人代=国会)に河北省選出の代表(議員)として出席しており、5日に毎日新聞の取材に答えた。複数の欧米メディアが全人代後の3月末以降、長年の対立点だった司教の任命方法について双方が合意すると伝えていた。

 方氏は「情勢の変化も考えられ、合意時期は不確定だが、期待している」と説明。国内外のカトリック関係者が「バチカンの譲歩によって中国における信仰の自由がかえって脅かされる」と懸念している点に関し、「個人の意見に過ぎない。あらゆる信者は、(中国に歩み寄る)法王の決定に服従しなければならない」と反論。党の指導と法王を頂点とするカトリックの教えは「何も矛盾しない」とも述べた。

 バチカンは欧州で唯一台湾と国交があり、関係正常化が実現すれば、習近平指導部にとって「台湾統一」に向けた大きな「布石」となる

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2018年3月9日