・「トランプ政権発足後、日本国民の2割以上が米国を信頼しなくなった」ー米国と日米関係に関する言論NPOの世論調査結果

 (2025.12.9言論NPO)

言論NPOはこのほど、日本の課題 外交と安全保障 世論調査・有識者アンケートを実施した。結果は次の通り。

【トランプ政権の行動をどう見るか】

 世界各国に高関税を一方的に迫ったり、国際機関への拠出金を大幅に削減することを進めるなど、自国利益を第一に考えるトランプ政権の行動に「反対している」という日本国民は60.5%と6割を超えています。「支持している」は13.1%と1割程度に過ぎず、日本国民のトランプ政権に対する否定的な見方が浮き彫りとなっています。

【特に支持できないトランプ政権の行動】

 トランプ政権の行動に「反対している」という人にその理由を尋ねたところ、「各国に高関税を一方的に迫り、実行したこと」が79.5%で突出しています。

【米国が再び国際協調主義に戻ることはあるのか】

 米国が再び国際協調主義に戻ることはあるのか、という点については、「もう絶対に戻ってくることはない」との見方は6.3%に過ぎず、「国内の経済問題が深刻化し、次期大統領選挙で米国第一主義は修正を余儀なくされる」との見方が36.7%で最も多くなっています。ただ、「戻ってくるが、それには一世代を超えるほどの時間がかかる」との見方も22.1%ありました。

【トランプ大統領の行動で世界はどう変わるのか】

 今後の世界を予想してもらったところ、「トランプ大統領の極端な行動はいずれ落ちつき、戦後続いてきた多国間主義に基づく国際協調の国際秩序はなんとか修復される」という見方が24.7%で最も多くなっています。ただ、「多極化」(24%)、「米国を軸とした新秩序」(13.4%)、「分断」(11.8%)の三つを合計すると、半数近くの日本国民は世界の変容を予想していることになります。

【米国の社会・政治体制に対する理解】

 現在の米国政治・社会を「権威主義(独裁)」であると見ている日本国民は52.5%と半数を超えています。なお、選択肢は違いますが、2024年の日中共同世論調査では中国を「全体主義(一党独裁)」と見ている日本国民は15.3%でした。

 「民主主義」との見方は11.9%、「国際協調主義」は1.6%に過ぎませんでした。

【ドルの基軸通貨としての地位は維持されるか】

 

 トランプ大統領は、今後も世界の基軸通貨としてのドルの地位を維持していくことへの強い意欲を示していますが、日本国民でドルの地位がこれまで通り維持されると見ている人は21%でした。「将来対立する通貨が育った段階でドル体制は崩壊していく」との見方は6.7%でしたが、「当面は大丈夫だが、ドルへの信認は低下する」は37.9%となり、合計すると4割以上の日本国民はドルの地位は低下すると考えています。

【米国を同盟国として信頼しているか】

 米国を同盟国として「信頼している」という日本国民は、19.7%と2割に満たず、さらに21.1%が「これまでは信頼していたが、今は信頼していない」と答えています。

 日本国民の2割以上が、トランプ政権発足後に米国を信頼しなくなったことになります。また、「どちらともいえない」「わからない」と信頼できるかどうかを判断できていない日本国民も46.5%と半数近くいます。

【日本はこれからも米国の核抑止力に頼るべきか】

 「日本はこれからも米国の核抑止力に頼るべきだ」と考えている日本国民は、51.1%と半数を超えています。

【日本外交はこれから米国とどのように向き合うべきか】
 今後の日本の対米外交については、「米国との関係は今後も大事にしていくが、過度に米国に依存しないように外交上の自立も模索すべき」との回答が60%で突出しています。

 【日本は国際協力や国際秩序を維持するために努力すべきか】

 日本国民の68.6%と7割は、多国間主義に基づく国際協力やルールに基づく国際秩序を維持していくために、日本は今後これまで以上に努力していくべきだと考えています。

【米中対立が激化する中での日本の立ち位置は】

 米中対立が激化する中で、日本は米中のどちらかにつくのではなく、「世界の協力発展のために努力すべき」と考えている日本国民は65.8%と7割近くに上っています。「米国との関係を重視すべき」という回答は18.5%でした。

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2025年12月11日