国連人権理事会(UNHRC)の「ミャンマーに関する独立調査メカニズム(IIMM)」が9日発表した、ミャンマーの人権状況に関する年次報告によると、ミャンマーでは国軍による人権蹂躙行為が組織的に行われ続けており、特に女性と子供たちに深刻な影響を与えている。
IIMMは3年前に発足以来、約200の情報源から300万件以上の情報を収集、分析を続けており、その範囲は、関係者からの聞き取り、発表された声明、関係文書、ビデオ、写真、ソーシャルメディアから得る資料に及ぶ。
報告書は、そうした広範な情報から、性的暴行やその他の形態の暴力を含む性的犯罪、および子供に対する犯罪が、ミャンマー軍の治安部隊、武装集団によってなされている、と指摘。また、子どもたちは、両親の代わりに拷問され、徴兵され、恣意的に拘禁されている、としている。
また、2021年2月の国軍によるクーデターと政権奪取以降、「ミャンマーでは、民間人に対する広範かつ組織的な規模と方法で人権を侵す犯罪が行われているという十分な証拠があり、潜在的な犯罪も拡大している。この報告書の作成後の7月25日にもミャンマー国軍によって4人の民間人が処刑されている。
約100万人にのぼるロヒンギャの少数民族は故郷を追われ、大部分が今も、隣接国の難民収容所や国内の収容所で生活を余儀なくされている。
このようなミャンマー国軍による人権犯罪を裁くために国際司法裁判所および国際刑事裁判所で進行中の国際司法手続を支援するため、IIMMは、情報源の同意を得て、犯罪を裏付ける証拠物件の提供などを行っている。
詳細な情報は https://iimm.un.org/ or contact iimm@un.org