・“新彊の収容所”、男性も性的虐待の犠牲に(BW)

 

Inside a “transformation through education camp.” Exclusive footage by Bitter Winter.BBCが転載したBitter Winterの独占映像「新疆ウイグル自治区の”更生・教育キャンプ”の内部」随所に監視カメラが設置されている。

 女性たちの”沈黙”を破る勇気ある告発に刺激されて、男性たちも声を上げ始めた。

  武漢の現地を訪れた世界保健機関(WHO)の調査団から「透明で協力的だった」という称賛に満ちた結論を出させるのに成功した中国の「宣伝戦術」の成功を覆すような、英国国営BBCのレポート。新疆ウイグル自治区の”教育キャンプ”でウイグル人の女性たちが組織的に性的暴行を受けていることが、被害者の女性たちの肉声で語られた時、中国当局が新型コロナウイルスの原因調査に来たWHO調査団に対して挙げた得点は消え失せた。

 BBCが報道した収容所の性的虐待は、問題のある警備員がたまたま行ったということではない。証言した勇気ある女性たちは、性的虐待がイスラム教徒としてのアイデンティティと自尊心を破壊する、組織的、恒常的な「レイプ文化」が形成されている、と非難の声を上げたのだ。

 中国外務省は「証言した女性はBBCによって採用された『女優』だ」と一笑に付そうとしたが、BBCのレポートには、女性全員が本名で登場し、収容所にいたことが確認されていた。米国、英国、オーストラリアの政府は、新疆ウイグル自治区での女性の残虐行為と虐待を非難するためにBBCのレポートを引用し、世界中の多くの政府、国際機関、および政治家もこれに倣った。

 ”教育キャンプ”の内部についての独占映像をBBCに提供することなどでレポートの制作に貢献したBitter Winterは、BBCが世界に向けて放映して数時間後に、関係者などから話を聞いた。収容所を経験した人たちから多くの称賛の声があり、「性的暴行を受けた経験があるが、証言する勇気がもてなかった。この放送を見て、自分も証言しようと思うようになった」とする女性もいる。

 また、BBCのレポートで報じられた性的暴行や拷問などは、新疆ウイグル自治区に限ったことではなく、イスラム教徒の女性だけが犠牲者ではない、との指摘もあった。全能神教会や法輪功など、中国当局から「邪教」のレッテルを張られ、活動が禁じられた宗教の信者たちも、収容所で性的虐待を受けている、と言うのだ。新疆ウイグル自治区の収容所で性的暴行を受けたウイグル人とカザフ人の女性がBBCに語った話と酷似している。「強迫的な教化」と「性的虐待」の組み合わせが、中国全土の全能神教会と法輪功の女性信者の”転向”を強要するのに使われている。

 それだけではない。現在海外に住んでいる複数のカザフ人は、「新疆ウイグル自治区の収容所で、男性が男性警備員に性的暴行を受けたことも、告発する必要があります」とBitter Winterに語った。「収容されている男性に対する性的虐待は、特に若者に対して、定期的に繰り返されている」と言う。

 これまで、こうした収容所での残虐行為について、声を上げられなかったのは、現在は海外にいる場合も含めて、私たちの民族の社会では、こうした被害を受けたことを認めるのは、極めて難しい。とくに、同性の性行為は犯罪とされており、社会から追放される。それが自分の意思でなく、一方的な虐待行為であっても、という事情がある。

 新疆ウイグル自治区の収容所で性的暴行を受けた男性の一部は、カザフスタンやその他の地域にいる人権活動家にそのことを話したが、間接的であっても彼らの身元が明らかになるような具体的内容を公表することは認められなかった。そうした具体的な証言がなければ、中国政府・共産党は、そうした行為が繰り返されていることを否定するだろう。実名を公表して勇気ある証言をしている女性たちについてさえ、否定するのだから。だが、我々は、彼らが真実を語っている、と確信している。

 BBCに証言した女性の一人は、その後の米国テレビFoxNewsの取材に対して、「私たちは人間です。でも、彼らの私たちへの拷問は、動物に対するやり方です」とし、「男性に対してさえも、恐ろしい真実が徐々に明らかになっています」と語っている。

(翻訳・編集「カトリック・あい」)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2021年2月12日