(2026.2.20 Vatican News Salvatore Cernuzio)
教皇の承認なしに司教を叙階しようとして物議をかもしている聖ピオ十世会は20日までに、バチカン教理省が先に提案した「特段の神学的な」対話を拒否した。「第二バチカン公会議の文書と典礼改革の正当性は決して問われるべきではない」とし、7月1日に予定されている司教叙階式を実行する意向を再確認した。教理省は提案の中で、一方的な司祭叙階は「カトリック教会共同体における決定的な断絶(分裂)を意味し、修道会全体に深刻な結果をもたらす」と警告していたが、それを無視した形だ。
この返答は、2月12日にバチカンで行われた会談を受けて、同会総長ダヴィデ・パリアラーニ神父がバチカン教理省のビクトル・マヌエル・フェルナンデス長官に書簡を送る形で表明された。
12日の会談についてフェルナンデス長官が声明で、「誠実で友好的なもの」と評し、十分な解明がなされていない問題について「明確な方法論に基づく、特に神学的な対話」を始めることを提案するとともに、同会が2月2日に発表された司教叙階の延期を求めたことを明らかにしていた。バチカンの提案は同会の総評議会に諮られ、18日に総評議会の5名のメンバーが署名した回答が書簡の形で長官に示された。
これまで、フェルナンデス長官は、レフェブリアン派(1970年代に第二バチカン公会議の改革に反対して同会を設立したマルセル・レフェブール司教に因む名称)の最高責任者は、「新たな対話への開放性」に満足を表明しているが、これは2019年1月に提案した教義的議論への「前向きな応答」であり、「穏やかで平和な時期に、破門の圧力や脅威なしに」行われるべきだ。としていた。
だが、パリアラーニ神父は、対話では「カトリック教会との完全な交わりに必要な最低条件」を共に決定することは決してできない」とし、「公会議は自由に解釈できる文書集ではない。公会議は、特定の教義的・牧会的指針に従い、歴代教皇によって60年以上にわたり受容され、発展させられ、適用されてきたもの。その公式解釈は、重要な諸文書に示されており、聖座があらゆる議論を置くことを意図する教義的・司牧的枠組みが既に決定済みであることを示している」と主張。
以上に理由から、神父は、「教義に関する合意には至れない、という共通認識のもと、我々が一致できる唯一の点は、魂と教会に対する愛だ」とし、典礼改革から生じた典礼儀式の正当性を認めていない聖ピオ十世会は「対話再開を提案する教理省の視点と目標、同時に7月1日の延期も受け入れられず、新たな司教の叙階は、伝統の存続のための具体的かつ短期的な必要性として確定した」と述べた。
2月12日の声明でフェルナンデス長官は次のように宣言している。「聖座は改めて、至高の、完全な、普遍的、即時的、直接的な通常権能を有する教皇の委任なしに司教を叙階することは、教会共同体(教会)との決定的な断絶(分裂)を意味し、修道会全体に深刻な結果をもたらすことを表明した(ヨハネ・パウロ二世、使徒的書簡『エクレジア・デイ』1988年7月2日、3項及び5c項;法典評議会、説明的注釈、1966年8月24日、1項)」
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)