・枢機卿顧問会議、バチカン改革の新使徒憲章案と”性的虐待サミット”について協議

(2019.2.20 VaticanNews)

  教皇フランシスコの助言機関、枢機卿6人による顧問会議が18日から20日にかけて開かれ、議論の焦点は策定中のバチカン改革に関わる新たな使徒憲章案と21日からの「教会における未成年者保護」の全世界司教協議会会長たちによる会議に絞られた。

 バチカン報道局のアレッサンドロ・ジソーニ暫定局長の発表によると、会議には、ピエトロ・パロリン国務長官はじめ6人のほか、教皇も水曜恒例の一般謁見の時間を除いて出席され、まず、新使徒憲章の原案の再読が行われた。

 新使徒憲章「Predicate evangelium」(仮題)は長期間にわたってとりまとめ作業がされてきたが、「実質的に完成」の段階に達しており、残っているのは、顧問会議付法律家、マルコ・メリーノ大司教による教会法の見地からの検討、だという。教皇の意向では、今後、司教協議会とバチカンの関係部署との二回目の協議を行った後、教皇の最終決裁に回され、公布の運びとなる予定。

 続いて、21日に始まる全世界の司教協議会会長たちによる「教会における未成年者保護」についてのサミットに関して意見が交わされ、サミット閉会後の25日にバチカンの関係部署とサミット組織委員会の代表、数名の専門家も参加してフォローアップ会合を開くことになった。枢機卿顧問会議は4月8日から10日にかけて開催する。

 顧問会議のメンバーでバチカンの未成年者保護委員会の委員長を務めるショーン・オマリー枢機卿は、会議後、ジソーニ暫定局長に、今回のサミットは昨年9月の顧問会議の提言を受けた極めて重要な会議であり、未成年者保護委員会も4月に全体会議を開いて、サミットを受けたフォローアップを行う考えを明らかにした。

 今回の顧問会議では、先日バチカンが発表した前ワシントン大司教で前枢機卿のセオドア・マカリックの司祭職はく奪についても議論され、教皇の承認を受けたバチカン教理省の今回の決定はマカリックが犯した犯罪と罪に対する司法の基本的な措置だ、との見解に達した。そして、”性的虐待サミット”で始まり、教皇と一致して次の段階に進むことは、いかなる形の虐待とも戦う教会の決意への神の民の信頼を高める、強力なメッセージとなる、との判断でまとまった。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

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2019年2月21日