(2026.3.9 Crux Nicole Winfield |Associated Press)
教皇レオ14世は7日、新しい駐米バチカン大使にべテラン外交官のイタリア人、ガブリエーレ・カッチャ大司教(68)を任命された。トランプ政権のイラン戦争や移民取り締まりで米国内外で緊張が高まる中、聖座にとって最も重要な二国間関係の一つを管理する重要な時期を迎えている。
カッチャ大司教は現在、ニューヨークの国連駐在大使。駐米大使を辞任することが決まっているクリストフ・ピエール枢機卿(80)の後任として、世界が大きく揺れ動く中で、米国における教会と国家の両面において複雑かつ重大な課題を引き継ぐことになる。1983年にミラノで司祭に叙階され。バチカン国務省の「補佐官」を務めた。2019年に国連に赴任する前は、レバノンとフィリピンの駐在のバチカン大使を歴任している。
ピエール枢機卿は、駐米大使在任中、保守的な傾向が強い米国のカトリック司教協議会指導部と、進歩的な優先事項を掲げる教皇フランシスコの教皇職との間に明らかな摩擦が見られた。
米国およびその教会との関係は、聖座にとって極めて重要である。何よりも、米国カトリック教徒が、聖座の財源に対して最も寛大な寄付者だからだ。
教皇レオ14世は史上初の米国生まれの教皇であり、2025年に選出される前の2年間、教皇フランシスコの司教任命を担当する司教省長官を務めた経験から、この力学をよく理解している。レオは教会内の和解と結束を強調するメッセージを発信している。
第一次トランプ政権の初期は、特に移民問題で教皇フランシスコと対立し、その緊張はレオ14世が教皇に就任した第二次トランプ政権下でも続いている。レオは、国境管理の権利を認めつつも、トランプ政権が移民の人間としての尊厳を尊重するよう繰り返し主張してきた。最近では、米国とイスラエルによるイランでの戦争について「深い懸念」を表明し、双方が「修復不可能な深淵となる前に暴力の連鎖を止める」よう促した。8日には、イランとの外交の再開を求め、武器は「破壊と苦痛と死」を撒き散らすだけだ、語っている。
今年初めの主要な外交政策演説で、教皇は米国の軍事力行使の積極的利用に反対する姿勢も明らかにした。これは明らかに、トランプ政権のネズエラ侵攻やグリーンランド併合の動きを指している。彼は、「各国が世界的な支配権を主張するために武力を行使し、平和と第二次世界大戦後の国際法秩序を、完全に損なっている」と非難した。
カッチャ大司教は7日の声明で、「教皇がご自分の出身国の駐在大使に私を任命されたことに、謙虚な気持ちと信頼を感じている」と述べた。またVatican Newsによると「この使命を喜びと不安の両方の気持ちで受け入れるます… 自身の使命は『交わりと平和に奉仕すること』」とし、今年が米国独立250周年に当たることを想起した。
また、米国司教協議会のポール・S・コークリー会長は、カッチャ大司教の駐米大使就任を歓迎し、米国司教団の「心からの歓迎と祈りに満ちた支援」を表明した。