File photo of Cardinal Louis Raphaël Sako (AFP or licensors)
(2026.3.10 Vatican News)
カルデア東方典礼カトリック教会のバクダッド総大司教のルイ・ラファエル・サコ枢機卿が辞表を提出、9日、教皇レオ14世に受理された。
サコ枢機卿は同日出した声明で、既に2年前の75歳時に辞任を考え、当時の教皇フランシスコと協議したものの、教皇から留任を勧められた経緯を説明。今回、「祈りと執筆、そして慎ましい奉仕に専念するため」に教皇に辞表を提出し、「誤解を避けるために、声明で説明する」という判断は、誰かに強制されたものではなく、自発的に辞任についての了承を求めたことを強調した。
そして、「私は極めて困難な状況と大きな挑戦の中で、カルデア東方典礼カトリック教会を導いてきた。教会の制度の統一を守り、それを守るためにあらゆる努力を惜しまなかった… イラク人とキリスト教徒の権利のために、国内外で立場を表明し存在感を維持する行動を取ってきた」と述べている。
またバグダッドでの13年間の奉職を「愛に満ちた司牧、同行、成長の年々だった」と振り返り、モスルでの司祭時代、キルクークでの司教時代、バグダッドでの総主教時代を通じて共に歩んだ家族、関係者、補佐者たちへ「愛の恵み」を与えた神に感謝する、としている。
後任については、「この困難な時代に、カルデア・カトリック教会の指導が、確固たる神学的知識と勇気、知恵を備えた総大司教に託されることを願う」とし、「刷新と開放性、対話を信じ、かつユーモアのセンスを持つ人物が必要」と強調した。
声明の最後に枢機卿は、司祭時代に遺言書を作成し数度更新したことを明かし、「モスルにある実家の売却益に加え、52年にわたる司祭職の給与から得た約4000万イラクディナール、5000米ドル、5000ユーロ」を所有していると付記。さらに、自宅も自動車も所有しておらず、自身の「真の財産」は「献身的な奉仕と出版した45冊の著書及び数多くの論文」である、と言明している。
(2026.3.11 カトリック・あい)
サコ枢機卿は2013年、イラクの同教会トップ、バビロン総大司教に選出され、22年に名称をバクダッド総大司教に変更。イラクのラシード大統領の前任者タラバニ氏は13年に、サコ枢機卿を総大司教として認める法令を出したが、ラシード大統領は23年7月になって、この法令を取り消す決定をした。
サコ枢機卿はカトリック支援団体「エイド・トゥー・ザ・チャーチ・イン・ニード」(ACN)に対し、自身は、人権についての発言をやめさせ、教会の権力を弱め、教会の財産を支配しようとしてきた政治的キャンペーンの犠牲者だ。教会の長として、また教会の財産を管理する者として総大司教を認める法令が、これまで長きにわたり存在していた。法令の撤回は、教会にとって屈辱。この動きの背後にいる人々は、教会の財産に手をつけ、教会の権威を離れてこれらの財産を管理しようとしており、それを受け入れることはできない」と言明。
枢機卿は、法令の取り消しを受け、総大司教座のある首都バグダッドを去り、現在は同国北部のクルド人自治区の主都アルビルにいて、大統領の決定の無効を求める訴えを最高裁に起こしていた。