改・中国で教区の改廃、新設の張家口教区の司教任命ー教皇レオ14世就任後初だが、中国側発表は「教皇承認」伝えず

(2025.9.11  カトリック・あい=9.13追加)

 バチカン報道局が10日付けで発表したところによると、教皇レオ14世は、中国国内の二つの教区を廃止するとともに、北京教区の下位教区として張家口教区を新設、同教区の教区長として王振貴神父を司教に任命し、10日に叙階式が行われた。新司教の任命は、バチカンと中国政府による司教任命に関する暫定合意に基づき、7月8日に司教候補として承認された、としている。新司教のバチカン・中国の暫定合意に基づく任命は、レオ14世の教皇就任後初めて。また、中国国内の教区の改廃も初めてだ。

 発表によると、教区の廃止、新設は、「主の羊の群れの司牧を促進し、”霊的益”をより効果的にする」ことが目的。具体的には、1946年4月11日に教皇ピオ12世によって設立された宣化教区及び西湾子教区を廃止すると同時に、北京教区の下位教区として張家口教区を新設し、その司教座を張家口大聖堂に置く。また、延慶区は北京大教区に編入され、シリンゴル盟教区は済寧教区に編入される。

 新設の張家口教区の管轄区域は、張家口市の主要都市の区域で、総面積は3万6357平方キロメートル、総人口は403万2600人。約8万5000人がカトリック信徒で、89人の司祭によって司牧されている。

 また、9月10日の司教叙階された王振貴神父は1962年11月19日生まれの62歳。1984年から1988年まで河北省神学校で学んだ後2年間、曲家荘教区で司牧実習を行い、1990年に仙賢教区で司祭叙階、翌年に小教区の主任司祭に任命された。その後、宣化教区で司牧活動を続けてきた。

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 一方、9月10日付けのニュースサイト「中国天主教」によると、「9月10日、河北省張家口市聖家族大聖堂でカトリック教会・張家口教区の王正貴司教の叙階式が行われた」とし、叙階式は、中国天主教愛国協会会長、中国天主教協議会副会長の北京市李山司教、同協議会副会長の承徳市郭金才司教、衡水市馮新茂司教、滄州市李連貴司教、邯鄲市孫継根司教、保定市安樹新司教によって行われ、同協議会事務総長の楊宇神父が司教協議会からの承認書を読み上げた。河北省からは50名以上の司祭に加え、修道女、神学生、信徒の代表者約300名が叙階式に出席した、としている。(写真はいずれも「中国天主教」より)

 同サイトによると、王振貴司教は、1962年11月19日、河北省張家口市に生まれ、霊名はヨゼフ。1984年から1988年まで、河北省カトリック神学校で神学と哲学を学び、1990年に司祭に叙階され、1996年、カトリック張家口教区の教区長に選出。2007年、河北省カトリック評議会(CCC-TSPM)の副事務総長に、2013年にはCCC-TSPMの副理事長に就任。2025年3月28日に、カトリック張家口教区の次期司教に選出された、としている。

 バチカンとの司教任命に関する暫定合意も、教皇による司教叙階の承認にも全く触れておらず、バチカン発表では、「7月8日に司教候補として承認された」とされているのに対して、「3月28日に、カトリック張家口教区の次期司教に選出された」と、あくまで中国政府・共産党によって選ばれたことを強く印象付けている。「中国天主愛国協会」は、中国政府・共産党の管理下にあり、司教叙階式も同協会主導で行われたことになる。

 また、「中国天主教」の12日付けによると、「9月12日、河北省カトリック教区委員会の同意と中国カトリック司教協議会の承認を得て、カトリック張家口教区が崔司教の退任式を行った、としている。式は、張家口・天主愛国協会の秘書長賈偉成師の司式で行われ、中国カトリック司教協議会秘書長・楊宇師が中国カトリック司教協議会の承認文を読み上げ、名誉司教となる崔泰龍師が挨拶。「愛国心と教会愛を堅持し、独立自治教会の原則を堅持し、中華民族としての中国カトリックの方向性を堅持し、現代化社会主義国家の全面的建設と中華民族の偉大な若返りの全面的推進に貢献する」と述べた。続いて、2日前の10日に河北省カトリック協議会副主任、張家口教区司教となった王振貴師が挨拶した」としている。

 さらに、「9月12日午前、河北省カトリック教区委員会の同意と中国カトリック司教協議会の承認を得て、カトリック張家口教区は馬延遠司教の補佐司教就任式を行った。 就任式は河北省カトリック協議会副主任の張家口教区の王振貴司教が司式し、中国カトリック教会秘書長の楊宇師が中国カトリック教会の承認書を読み上げた。馬延遠師は就任式で厳粛に宣誓した。国の憲法と法律を守り、祖国の統一と社会の調和を守り、国と教会を愛し、独立自治教会の原則を堅持し、中国カトリックの中国における方向性を堅持し、現代社会主義国の全面的建設と中華民族の偉大な若返りの全面的前進に貢献する。式典の最後に感謝のミサが行われ、張家口教区の王振貴司教が司式し、馬延遠補佐司教が補佐した」とも伝えた。

  これに関連して12日付けのVatican Newsは、張家口教区補佐司教としての馬延遠師の「民事上の承認と就任」が行われたと発表。同師は、「西湾子教区司教を務め、現在は2日前に張家口初の司教として叙階された王振貴師を補佐している」とし、バチカン報道局のマッテオ・ブルーニ局長は声明で、「馬延遠師が張家口教区補佐司教に就任したことを受け、その司教職が民事法上も認められたことを満足をもって受け止める… 宣化教区名誉司教であるCui Tai司教の司教としての尊厳も、民事上認められた」と述べ、「これらの出来事は、聖座と中国当局との対話の成果… 新たな教区の交わりの歩みにおいて、重要な一歩を象徴している」と”評価”するなど、中国側の発表とは微妙な食い違いを見せている。

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2025年9月11日