(2026.2.3 Crux Nicole Winfield, Associated Press)
ローマ発―教皇レオ14世が、就任以来初めて、”伝統主義”のカトリック教徒との重大な危機に直面している。伝統的なラテン語ミサに固執する”離脱派”グループが、教皇の同意なしに新たな司教を叙階する計画を発表し、分裂の再燃をほのめかしたためだ。
スイスに本拠を置く聖ピオ十世会(SSPX)は、世界中に学校、礼拝堂、神学校を擁し、1960年代の第二バチカン公会議による近代化改革に反対し、40年にわたり聖座にとっての悩みの種となってきた。
1988年には、創設者のマルセル・ルフェーブル大司教が教皇の同意なしに4人の司教を叙階し、「教会の伝統を守るために必要だ」と主張した。バチカンは直ちにルフェーブルと他の4人の司教を破門し、同団体は現在もカトリック教会内で法的地位を持たない。しかしローマとの決別から数十年が経つ今も、この団体は成長を続けている。司祭、修道女、そして第二バチカン公会議以前の伝統的なラテン語ミサに固執する信徒の支部が存在するのだ。
バチカンにとって、司教叙階における教皇の同意は根本的な教義であり、キリストの弟子ら続く使徒継承の系譜を保証するものだ。教皇の同意なしの司教叙階は、司教が新たな司祭を叙階することができるため、教会の一致に対する重大な脅威であり、分裂の原因と見なされる。教会法によれば、教皇の同意なしの叙階は、それを執り行った者と自称新司教が自動的に破門となる。
バチカンは、SSPX(この団体はそう呼ばれている)との和解を何年も試みてきた。2009年、教皇ベネディクト16世は、存命中の司教たちの破門を解除し、古い儀式にまだ愛着を持つすべてのカトリック教徒への働きかけとして、古いラテン語ミサの祝典に関する制限を緩和した。しかし、SSPX の司教の一人であるリチャード・ウィリアムソンが、テレビインタビューで、「第二次世界大戦中に、ユダヤ人がガス室で殺害されたことを公に否定」したことで、騒動が起こった。
その後、特に教皇フランシスコの在位期間中、伝統主義のカトリック教徒との緊張はさらに深まった。フランシスコは、ラテン語によるミサ典礼への規制を緩和したベネディクトの措置を覆し、このことが教会内の分裂の原因となっている、と主張した。
レオは、この緊張関係を認め、対話への開放的姿勢を表明し、教皇フランシスコの措置に対する例外を認めることで、議論を鎮めようとした。しかし、SSPX は2日の声明で、団体の将来を守るためには、「7 月 1 日に新しい司教を叙階するしか選択肢がない」と述べた。
SSPXのダヴィデ・パリアラーニ総長は、教皇に書簡を送り、「教会の伝統を堅持しようとする多くの信徒に応えるため、40年近く世界中を巡ってきた司教たちの職務継続を保証するのに新たな司教が必要だ」と説明した。SSPXによると、バチカンからは「自分たちの要求に全く応えていない返答を受けた」とし、「魂が置かれている『客観的に深刻な必要性の状態』を踏まえ、計画通り叙階を進める準備を進める」と述べた。
バチカンのマッテオ・ブルーニ報道官は3日の声明で、「聖ピオ十世会と聖座との接触は継続中であり、生じた問題に対する分裂や一方的な解決を避けようとしている」と述べ、バチカンが依然として交渉の余地を残していることを示唆した。
旧ラテン語ミサ典礼では、第二バチカン公会議で定めた司祭は祭壇をはさんで信徒と向き合うのでなく、信徒の席に背を向けて祭壇に向かい、ラテン語による祈りと歌を唱える。公会議では、司祭が信徒が向き合うなどより積極的な参加を伴う、現地語によるミサを公式なものとして認めた。旧ラテン語典礼の愛好者たちは、「公会議前のこの典礼の方がより祈りに満ち、敬虔な礼拝の形だ」と主張している。