prayer before the Icon of Our Lady of Vladimir in Moscow
(2023.6.29 Vatican News Linda Bordoni and Salvatore Cernuzio)
教皇フランシスコの命を受けて28日モスクワ入りしたズッピ和平特使(枢機卿)は、同日、プーチン大統領の外交政策顧問のウシャコフ氏、翌29日午前にはルヴォヴァ=ベロワ児童権利局長とそれぞれ会談。同日午後、ロシア正教会トップのキリル総主教と会談した。
ウシャコフ氏は1998年から2008年まで駐米ロシア大使を務めた経験があり、ペスコフ大統領報道官のコメントを引用したロシアのインタファクス通信などによると、ズッピ特使との会談では「ウクライナ紛争の政治的・外交的解決の可能な方法」が中心に話し合われた、という。
会談後の記者会見で報道官は、「ウクライナ危機の平和的解決を模索するバチカンの努力と取り組みを高く評価していることは、すでに何度も述べてきた。 私たちは、ウクライナにおける武力紛争の終結に貢献しようとする教皇の意欲を歓迎する」と教皇とバチカンの努力を高く評価する発言をした。
駐ロ・バチカン大使のダニエッロ大司教は記者団に、「教皇がズッピ特使に託された使命は、ロシア、ウクライナ両国が和平につながる道を歩み始めることを可能にする人道的取り組みを特定し、促進することにある」と述べ、会談がその方向で行われたことを認めた。
また、ルヴォヴァ=ベロワ局長との会談では、ロシアに強制移送された1万9000人以上のウクライナの子どもたちの扱いが中心議題となった模様。ウクライナのゼレンスキー大統領は5月の教皇と会見した際、子供たちの救済について支援を要望していた。モスクワのベッツイ首都大司教はVatican News の取材に対して、「特使の帰国までに、(ロシア政府から)新たな捕虜交換や捕虜の発表などの具体的な動きが見られるかもしれない」と成果を示唆した。
ズッピ和平特使のキリル総主教との会談は29日午後、日本時間同日夜に予定されている。ベッツイ首都大司教は「和平のための対話には宗教指導者の関与が必要。両者の会談は、和平への対話実現に向けた極めて重要な機会になる」と期待を述べている。
この会談の後、特使はモスクワの聖母大聖堂でミサを捧げ、カトリック司祭や信徒たちと会見し、教皇の激励と祈りのメッセージを伝える。帰国は、当初予定より一日延びて、30日午前となる見通しだ。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)