(2-23.10.10 バチカン放送)
バチカン国務長官パロリン枢機卿は9日、ローマの大学で行われた「教皇ピオ12世時代の文書と当時のユダヤ教とキリスト教の関係をめぐる会議」で講演、聖地で勃発した悲劇に対する教皇フランシスコの悲しみを伝えた。
バチカン関係者をはじめ、ローマの主席ラビ、リカルド・ディ・セーニ師ら、ユダヤ教の代表、研究者が出席した会議で、パロリン枢機卿は7日に始まったハマスのイスラエルへの攻撃に言及。「今日、講演をこのような形で始めなくてはならないとは想像もしていませんでした。イスラエルで起きた出来事に対し、教皇と思いを共にし、その深い悲しみをここにお伝え申し上げます」と語った。
さらに、「イスラエルにおいてシムハット・トーラー、律法の喜びを祝うその土曜日、イスラエルの多くの兄弟姉妹たちは恐ろしい卑劣な攻撃によって目を覚ましました。私たちは、犠牲になった方々のご遺族、負傷者、行方不明者、拉致され、今重大な危険の中にある方々に寄り添いたいと思います」と述べた。
また、パロリン枢機卿は、「バチカンは非常に深い憂慮をもって、この触発された戦争を注視している」とし、「この戦争で命を落とし、避難し、負傷しているガザ地区の多くの無実のパレスチナ住民たち」についても言及。「戦争は常に敗北であり、何の解決ももたらさない」という教皇の言葉を繰り返した。
そして、「残念ながら、テロや暴力、残忍な行為、過激主義は、パレスチナとイスラエルの人々の正当な希望を脅かすものです」と述べ、「イスラエルとパレスチナを平和に導く正しい道筋を立ち止まって考えるために、武器を収め、理性を優先させることができますように」と祈った。
(編集「カトリック・あい)