(2026.2.12 Crux Senior Correspondent Elise Ann Allen)
バチカン教理省のビクトル・フェルナンデス長官が12日、聖ピオ十世会(SSPX)のダヴィデ・パリアラーニ総長と会談。同会が新たな司教を違法に”叙階”することで破門処分を受ける事態を回避すべく、対話に基づく解決策を提示した。
SSPX は、1970年に当時のマルセル・ルフェーブル大司教が「第二バチカン公会議後に教会内で生じた誤
りを正す」として、独自に司祭を養成することを目的に設立した団体。
1988年、ルフェーブルとアントニオ・デ・カストロ・マイヤー司教が教皇ヨハネ・パウロ2世の許可なく4人の司教を”叙階”したため、教会法に違反する行為として、バチカンによってルフェーブルら6人が破門された。
2009年に教皇ベネディクト16世は破門を解除する一方で、「教義上の問題が依然として存在し、それらが解決されるまでSSPXはカトリック教会において教会法上の地位を持たず、その司祭たちはいかなる職務も正当に行使できないこと」を明確にした。その後、教皇フランシスコは慈悲の聖年中にSSPXの司祭に対し、「善意の表れ」として、告解の聴取と赦免の権限を付与し、改めて通告するまで延長されている。
12日の会談は教皇の承認を得て行われ、教理省が会談終了後発表した声明によると、議論された議題の一つは「宗教の多様性に関する神の意志の問題」。また、SSPXに対し「非常に明確な方法論」に基づく体系的な神学的対話を提案した。これは「十分な解明がなされていない」問題、特に第二バチカン公会議に関連する問題を深化するもので、「信仰行為と『宗教的服従(obsequium religiosum)』の差異」、ならびに「第二バチカン公会議の諸文書とその解釈が要求する異なる順守の程度」が含まれる。
また長官は会談で、SSPXが2019年1月17日付書簡で提起した「一連の主題」についても議論する用意があると表明した。
教理省の声明によると、SSPXとの対話の目的は、カトリック教会との完全な一致に必要な最低限の要件を特定すること、そしてSSPXがカトリック教会との一致に復帰した場合の規範的構造を確立することだ。声明によれば、フェルナンデス長官は会談でパリアラーニに対し、「教皇の承認なしの司教叙階は、教会共同体との決定的な断絶を意味し、深刻な結果をもたらす」と警告。「したがって、この対話を進めるためには、同会が発表した司教叙階に関する決定を留保することが前提となる」とした。
パリアラーニは、フェルナンデスの対話提案をSSPXの上級評議会に示すとしているが、教理省は声明で、「SSPXから肯定的な回答があった場合、従うべき手順、段階、手続きは相互合意によって確立される」と述べ、「真の教会的交わり」の精神でこの過程のために祈るよう求めた。