(2023.6.29 Vatican News Salvatore Cernuzio)
ウクライナ和平を希求される教皇フランシスコの意を体してモスクワ訪問中のズッピ枢機卿(イタリア司教協議会会長)が29日午後、ロシア正教会のトップでプーチン大統領に強い影響力をもつとされるキリル総主教と会談した。教皇代理と総主教が実際に顔を合わせるのは、昨年2月にロシアによるウクライナ軍事侵攻が始まって以来、初めて。
会談で、総主教は、和平実現に向けたバチカンの努力について評価していることを強調。「平和と正義の大義に奉仕する」ためのカトリック、ロシア正教の両教会の共同作業や、「大規模な武力紛争を防ぐために世界のすべての勢力が力を合わせることの重要性」などが話し合われた。
これらの言葉は、ロシアのウクライナ軍事侵略が始まって1か月も経たない昨年3月16日に教皇フランシスコがキリス総主教とビデオ会談をした際に共有された言葉に類似している。教皇は「 和平実現への努力で、司牧者として力を合わせることの重要性を指摘、教会は「政治の言葉ではなく、イエスの言葉」を使わねばならない、と強調されていた。
ロシア国営通信によると、キリル総主教は会談でズッピ特使に、「私がよく知っている兄弟たちに伴われて、あなたがモスクワに来られたことをうれしく思う」と歓迎の言葉をかけ、 「教皇があなたをモスクワに派遣されたことを高く評価する。あなたはイタリア最大の大都市のひとつである教区の長であり、国民のために重要な奉仕を行っている高名な大司教です」と語った、という。
ズッピ特使は、現地時間30日午後(日本時間同日夜)、モスクワを発ち、ローマに戻る予定だ。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)