・「戦争の悲劇の中にある人々に思いはせる」と教皇ーバチカンでツリー点灯、「馬小屋」除幕

(2023.12.10 バチカン放送)

 降誕祭の準備期間「待降節」に入り一週間、バチカンの聖ペトロ広場でクリスマスツリーが点灯され、大型プレゼピオが除幕された。

 点灯・除幕式が行われた12月9日(土)、教皇フランシスコは、ツリーとプレゼピオを贈呈した関係者らとお会いになった。

 今年のバチカンの広場を飾るツリーは、イタリア北部ピエモンテ州クーネオ県のヴァッレ・マイラから届けられた28メートルのモミの木で、5000以上のエーデルワイスの花で飾られている。ツリーは、クリスマスのシーズンが終わった後、おもちゃなどに加工され、カリタスに寄付される。

 一方、広場に設営されたプレゼピオ(イエスの降誕の場面を再現した馬小屋の模型)は、今年度はプレゼピオ発祥の地グレッチョを含む、イタリア中部リエーティ県のヴァッレ・サンタ地方から寄贈された。ヴァッレ・サンタは、アッシジの聖フランシスコがその生涯の足跡を残した地域で、聖人が滞在したポッジョ・ブストーネ、フォンテ・コロンボ、グレッチョ、ラ・フォレスタの4つの巡礼地がある。今年は、アッシジの聖フランシスコが1223年の降誕祭にグレッチョでプレゼピオを発案・実現してから、800年を迎える。

 教皇は、ツリーとプレゼピオを寄贈した地方の行政・教会関係者、および巡礼団とパウロ6世ホールでお会いになり、深い感謝を表された。プレゼピオについて、「今年、私たちは聖ペトロ広場からグレッチョに、そしてベツレヘムに思いをはせます」とされ、「人となられた神、イエスの小さく、貧しく、無防備な姿を観想しながら、今、戦争の悲劇を生きている聖地の住民たちを考えずにはいられません」と話された。

 また、教皇は、今年のモミの木の装飾に使用されたエーデルワイスの花は、高山の天然植物保護のために、平地で栽培されているものであることに注目しながら、「このような選択の一つひとつが、エコロジー的回心と、神の贈り物に対する尊重につながります」と語られた。

 同日夜、使節・巡礼団とバチカン市国関係者、そして地元市民や観光客らが見守る中、バ聖ペトロ広場のオベリスク前で、プレゼピオとモミの木の除幕・点灯式が行われた。

(編集「カトリック・あい」)。

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2023年12月12日