「使徒的勧告『(家庭における)愛の喜び』は西欧の『緩み過ぎ』に警鐘」と有力枢機卿

 (2017.6.1 Crux  ジョン・L・アレンJr, イネス・サン・マーチン)   教皇フランシスコの使徒的勧告「Amoris Laetitia(家庭における)愛の喜び」を批判する人々は「慎重な姿勢を取りつつ、離婚して再婚した信徒に聖体拝領の道を開けることが、結婚の崩壊に対する寛容な姿勢を加速する」と危惧しているが、Cruxとの会見に応じた教皇の側近、ウイーン大司教のクリストフ・ショーンボルン枢機卿は、この使徒的勧告に真剣に耳を傾ければ、「識別を重視せよ」との呼びかけが西欧社会の「緩みすぎた傾向」に警鐘を鳴らしているのが分かる、と強調した。

  ドミニコ会士のショーンボルン枢機卿は欧州の高位聖職者の中でも指導的立場にあり、その聡明さでも知られているが、現在の西欧社会とキリスト教会の現状について、「一般的に人々は離婚や再婚の問題意識が甘くなりがちだ。一方で厳格になりすぎる者もいるが、教皇は Amoris Laetitiaで、大変重要なことを指摘されている。それは識別することの重要性だ。厳格な人々も、甘い人々も、識別をしっかりしている、とは言えない。厳格な人々はすべてを識別もせずに何もかも分かっているかのように考え、甘い人々は何でもよいことにしてしまっている」と語った。

  この言葉は、Amoris Laetitiaの昨年春の発表をきっかけに西欧の教会関係者の間で大問題になっている離婚・再婚者への聖体拝領を認めることの是非の判断は、この勧告を基にすれば、現在、多くの教会で実際にされているよりも、もっと厳格な識別の過程を経てなされるだろう、との見通しを示したものだ。

  枢機卿はまた、この使徒的勧告が世界中の教会で受け入れられるまでには、長いプロセスが必要であり、「現在、司教グループの間で様々な解釈が行われているのは、問題視することではない」との判断を示した。カトリック教会は早急に現実的な結論を引き出そうと急ぐべきではなく、もっとこの勧告の真意を読み取ること、特に識別の必要性を認識することに集中すべきであり、その過程で「議論することが必要。司教や信徒たちの意見が一致しなくても、気にかけることはありません」としている。

 (翻訳「カトリック・あい」岡山康子)

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2017年6月6日