(2017.2.6 CJC通信)バチカン(ローマ教皇庁)の「お膝元」、ローマ市内に2月3日夜から4日未明にかけて、教皇フランシスコを批判するポスターが一斉に張り出された。内容は教皇に反発するカトリック保守派の主張にも合致するものだが、掲出団体の署名はなかった。
4日昼から現地メディアが報道。いかつい表情をした教皇の肖像写真の下に、イタリア語のローマ方言で「お前のいつくしみはどこにあるのか」と糾弾文が印刷されている。カトリック教会は昨年11月20日に「いつくしみの特別聖年」が閉幕したばかり。
ANSA通信によると、ポスターのことを知った教皇は「落ち着き、我関せず」の様子だという。ローマ市当局が「違法張り紙」としてポスターの撤去作業を始めている。
ポスターは、中世から続く騎士修道会『マルタ騎士団』総長人事への教皇の介入や、保守派の枢機卿が昨年11月に教皇にあてた公開批判書簡に言及している。教皇は離婚した信徒らの苦悩に寄り添う姿勢を示し、教義の厳格適用を主張する保守派との対立が深まっている。
『マルタ騎士団』は2016年12月6日、グランドチャンセラー(外務総官)だったアルプレヒト・フライヘル・フォン・ベーゼラガー氏がミャンマーでの援助事業の一つでコンドームの使用を容認したとして、マシュー・フェスティング総長が解任に踏み切った。
コンドームの使用はカトリックの教義に反してはいる。しかし教皇は解任されたベーゼラガー氏の擁護に回り、内紛解決のための対話を求めるとともに、状況を調査するため5人の委員を指名した。しかし、解任は内部人事との見解を騎士団側がバチカンに通知。1月10日には、バチカンによる調査は違法のため協力を拒否するとの声明を発表した。
教皇は、対立姿勢をあらわにしていたフェスティング総長に事実上の譴責を行い、1月24日の辞任へと追い込んだ。総長の辞任で、教会内の対立は治まらず、教皇の権威に対する新たな挑戦を招いた、とする報道もある。ロイター通信は、かねて活発に教皇批判を行っている米国のレイモンド・レオ・バーク枢機卿が主役と見ている。