ミュラー枢機卿、教皇との教理上の相違で教理省長官を解任、との一部報道を否定(CRUX)

 (2017.7J13 Crux   Junno Arocho Esteves)バチカン教理省の前長官、ゲルハルト・ミュラー枢機卿が、教皇フランシスコと教義上の見解の相違を理由に長官を解任された、との一部の報道を否定した。

 ドイツのカトリック紙Die Tagespostでジャーナリストのグイド・ホルスト氏が明らかにしたところによると、ミュラー枢機卿はオンライン・ニュース OnePeterFiveに書かれた記事を読んで、「自分の目を疑った。この記事は真実でない。私と教皇の会話は全く違う内容だった」と語った。

 OnePeterFive の記事は、ドイツのマインツでミュラー枢機卿と昼食をとった「信頼のおけるドイツ人」が語った話として書かれており、記事によれば、教皇は枢機卿と会見した際、枢機卿に女性を助祭、司祭にに叙階する問題、司祭の独身性の廃止、使徒的勧告「Amoris Laetitia(家庭における)愛の喜び」の内容、そして教理省職員3名の解雇についての立場を明らかにするよう求めた。そして、枢機卿の答えを受けて、教皇は枢機卿に対して、長官職を延長するつもりはない、と語り、「別れの挨拶も説明もせずに」、会見室を出て行った、という。この記事に対して、当のミュラー枢機卿はDie Tagespostによると、「内容は誤りだ」と言明した。

  OnePeterFiveの記事をイタリア語に訳して転電したジャーナリスト、マルコ・トサッティは、バチカンの報道官、グレッグ・バーク師から「教皇と枢機卿の会見を再構成した記事の内容は全くの誤りだ」と全否定のメッセージを受け取った。

 これより先、7月2日にミュラー枢機卿はドイツの日刊紙Allgemeine Zeitungに対して、「教皇との間に意見の不一致はなかった」と語り、Amoris Laetitiaの内容をめぐっても論争はなかった、としていた。さらに、教皇の長官職解任の判断は、延長されるのが通例なので、意外だったが、それで思い悩んだりはしておらず、「誰でもどこかで終わりが来るものだ。気にしていない」とし、「長官職の5年の任期が終わった、ということだ。教皇はバチカン高官の任期を5年と限ることに決め、その適用第一号は私だった、と言うだけのことだ」と語っていた。

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2017年7月14日