(2021.2.13 Vatican News Robin Gomes)
国連人権理事会が12日、月初の軍事クーデター後、不穏な動きが続くミャンマーに関する特別会合をスイス・ジュネーブで開き、拘束されたアウン・サン・スー・チー国家顧問らの即時解放を求める決議を全会一致で採択したが、バチカンを代表して常任オブザーバーとして参加しているイワン・ユルコビッチ大司教は同会合で、危機の平和的解決を強く主張した。
大司教は、「バチカンは、教皇フランシスコが2017年にミャンマーを訪問して以来、この国の動きに重大な関心を持ち続けてきた」とし、現在の状況に深い悲しみを示すとともに、「この国の責任を負う人々が、公共益、基本的な人権および市民権、社会正義および国の発展に誠実に奉仕し、調和のとれた民主的で平和な共存のために努める」ことを強く求めた。
さらに、人間としての尊厳を互いに認め、対話を進めることに障害となるものは全て脇に置いて、現在の危機の速やかな、平和的解決を強く望んでいることを強調した。
この日の大司教の発言は、ミャンマーの速やかな平和回復を願う教皇フランシスコの強い意向を受けたものだ。
教皇は先週7日のサンピエトロ広場に集まった人々を前にした正午の祈りで、ミャンマー問題を取り上げ、同国の人々への強い連帯を表明するとともに、指導者たちに対して、「共通善に奉仕する真摯な意欲を見せ、調和のとれた民主的な共生の見地から、社会正義と国家の安定を推進するように」と祈られた。
また翌日8日の在バチカン外交団との年頭会見で、”最近のクーデター”によって「民主主義への道が乱暴に中断された」と遺憾の意を示され、”拘束された指導者たち”が「国の利益を目的とした誠実な対話への励ましのしるしとして迅速に釈放される」ことを切望されている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)