(2018.5.18 毎日新聞 台北・福岡静哉)フランシスコ・ローマ法王が14日にバチカン(ローマ法王庁)で台湾のカトリック司教団と会談した際、関係改善に向けて協議中の中国との間で司教の任命権を巡り双方が折り合わず、交渉が難航していると説明したことが判明した。
会談の出席者が毎日新聞の取材に明らかにした。法王は中国との関係改善に積極的で、欧米メディアは早ければ3月末にも合意に達する、と報じていた。
法王は台湾司教団に対し「私たちは妥協しない。バチカンは司教任命権を手放さない」と説明したという。
バチカンはどの国でも司教任命権は法王にあるとの立場だが、中国は国内の司教を独自に任命することを主張。双方に受け入れ可能な任命方式を巡る交渉が続いている。香港の陳日君・枢機卿らカトリック幹部からも法王が中国に妥協するのではないかとの懸念が出ている。法王の発言はこうした懸念を打ち消す狙いもあるとみられる。
バチカンと外交関係がある台湾では、バチカンと中国が関係改善で合意すれば、最終的にバチカンとの断交に追い込まれるとの懸念もある。
台湾側は法王の台湾訪問を招請したが、法王は笑顔を見せただけで回答を避けたという。
cjcpres