(2016.9.13 ローマ クリストファー・ラム TABLET)
教皇フランシスコは、アルゼンチン司教団が作成した使徒的勧告のテキストについて、勧告の意図が正しく理解できるように明確に伝えているとして賞賛した。教皇は、勧告のもととなった家庭をテーマに開かれた全世界司教会議(シノドス)の最終文書の説明文を承認したが、その説明文では、一定の条件のもとで、離婚、再婚した信徒が秘蹟を受けることを認めている。
アルゼンチン・ブエノスアイレスの司教団は、このほど、ある文書を発出した。同文書は、「兄と妹」のように暮らすことが不可能と判断し、婚姻の無効を獲得できず、「識別の旅」の途上にある場合、「そのような再婚した男女は聖体を拝領することができる」としているが、その一方で、教皇の使徒的勧告は「神との和解と聖体拝領の秘蹟に近づく道に可能性を開く」ものであっても、「無制限に近づく道」と見るべきではない、と強調している。
教皇フランシスコは、司教団の文書は使徒的勧告の理解の仕方を適切に解説しており、「これ以上の解説はない」と讃えた。重視すべきは、このような教皇の反応が、バチカンの公式紙オッセルヴァトーレ・ロマーノに掲載されたことだ。同紙はこのところ、教皇が承認した勧告の解釈を示す多くの記事を載せている。
ブエノスアイレスの司教団はテキストで、特別に、教皇が脚注に「『一定の条件』のもとで、離婚、再婚した信徒に対し秘蹟を与えることができる」と書いている使徒的勧告第八章について、熟慮した結果について書いている。
今年4月にギリシアのレスボス島から帰国する途中の専用機内で、教皇は、脚注に文章を付け加えるのを「忘れ」、再婚した信徒の聖体拝領の是非について明確な判断をするのを慎重に避けた、と語った。
だが、教皇が司教団の考えに賛意を示したことは、使徒的勧告「愛の喜び」の中心になっているものと整合している。つまり、歴代の教皇は教義上、あるいは道徳上の問題を一つ一つ解決する必要はないこと、それぞれの現地の教会が自身のガイドラインを決めることができることを意味しているのだ。
同時に教皇の最近の動きは、「教皇フランシスコの家庭に関する文書で、離婚、再婚した信徒の聖体拝領を認めていなかったではないか」と論争を挑もうとしていた保守派を怒らせているようだ。さらに最近では、教皇に対して、文書の表現を明確するように求め、教義上の誤りがいくつもあると主張する動きもある。
教皇は世界代表司教会議(シノドス)で意見を戦わせることを奨励し、その結果、使徒的勧告「愛の喜び」が生まれたが、一方で、彼の文書が教会の伝統を破るのか、それとも司牧的慣行に重要な変化をもたらさないのか、ということで議論を挑む反対解釈に敏感になっていた。
こうしたことから、教皇は、オーストリアの枢機卿で、カテキズムの編集者で著名な神学者、 クリストフ・シェーンボルンを、勧告の公式解説者に指名したのだ。