「バチカンとの信頼のおける建設的な対話を高く評価」とプーチン大統領(CRUX)

(2017.8.23 Crux  Inés San Martin)

 ロシアを訪問中のパロリン・バチカン国務長官が23日、夏の保養地、ソチの迎賓館でプーチン大統領と会見、パロリン長官は両国の外交は様々なレベルで協調し、政治的領域と様々な文化面での計画にも及んでいる、と語った。また大統領は「我が国は、バチカンと共に進めている信頼のおける建設的な対話を高く評価している」と述べた。

 今回のパロリン長官のロシア訪問はバチカンの国務長官として19年ぶりとなったが、同日のプーチン大統領との会談は、中東におけるキリスト教徒の現況から交流まで幅広い分野にわたったが、長官はまず、教皇フランシスコの心のこもった挨拶を伝えた。会談後のクレムリンの発表によると両者は冒頭、大統領の2013年、2015年の二度にわたったバチカン訪問とともに、2016年2月のキューバにおけるカトリック教会とロシア正教会の両指導者の歴史的会見について、その意義を確認し合った。

 そして、大統領は「私たちの教会の間の対話が続いていることをとても喜んでいます」とし、「とくに、バチカンの聖座とロシア正教会の間で直接始まった対話を歓迎します」と述べ、長官もこれを受けて、今回のロシア訪問と23日のロシア正教指導者との会見は「二国間の関係と聖座とロシア正教会の関係にとって重要な時期に行われました」と共感を示した。

  また、イタリアのカトリック教会に保管されていた聖ニコラスの遺物がロシアにもたらされ、モスクワとペテルブルグで行われた展示会には、230万人のカトリック、ロシア正教の信徒が訪れたことについて話題になり、トレチャコフ美術館でバチカン美術館の所蔵品の展覧会が開かれる事も含めて、大統領は「ロシアのすべてのキリスト教徒はあなたと、教皇フランシスコに特別の感謝を表明します」と謝意を述べるとともに、来年、ロシア側から答礼の形で行事を準備していることを明らかにした。

 外交分野では、パロリン長官は「政治、文化も含めて幅広い協調について話し合った」と述べた。。

以上以外の内容は非公式な意見交換として内容が公表されていないが、今回の会談を含めた一連の二国間の動きは、二つの教会、二つの国の間のプーチン大統領が言う「共通の人道的価値」が中東でのキリスト教徒迫害の苦境も含むことを示している。

 今会談の前日にクレムリンが発表した声明では、大統領と長官が、政治、文化、人道的な分野などにおける両国関係についての重要課題について話し合われる、とし、「両者は、現在の国際的な問題、とくに中東、北アフリカにおけるキリスト教徒の置かれている状況も、シリア、ウクライナ情勢とともに意見を交換するだろう」と予告していた。

 (翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

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2017年8月24日