(2017.7.12
Vandalized graves at Curchorem cemetery in Goa. (Credit: YouTube.)
インドで最大のキリスト教徒人口をもつゴア州で、キリスト教徒弾圧の動きが強まっている。先月だけで4回も暴力行為が起き、現地のカトリック教区事務局が実態を調査している。
ムンバイ(インド)発―ゴアの警察当局が12日発表したところによると、同州のカトリック墓地が反キリスト教の暴徒に襲われ、9つの御影石製の十字架、5つの木製の十字架、16の墓、28の像を置いた壁龕、そして墓地の入り口の門が破壊された。暴徒たちはその直前に、墓地に設置された監視カメラを破壊していた。
ゴアは1961年にインドに併合されるまでポルトガルの植民地にされており、今もこの国のカトリックの中心とされ、カトリック教徒の人口比率は、インド全体では3%以下なのに対して約25%と高い。
最近の暴徒による同州のキリスト教徒迫害の動きについて、ゴア・ダマン教区のフィリプ・ネリ・フェラーオ大司教は「一連の暴力・破壊行為は、地域社会に不和をもたらし、宗教的な嫌悪を引き起こそうとする利害集団が計画したようだ。これらの行為を強く糾弾する」と非難する一方で、「私は、個人として、あらゆる信仰を持つ兄弟、姉妹に対して、報復したり、心の中に宗教的な嫌悪をあおったりするのを控えるように求めたい」と訴えた。
大司教は、ゴアの地は、伝統的に宗教間の調和と平和の地、として知られてきた、と指摘、「このような暴力が支配しているように見える時期であるからこそ、どのような犠牲を払ってでも、そうした無形の財産を大事にすべきだ」とする一方、「こうした暴力・破壊行為について徹底的に捜査し、犯人を特定するよう、当局に強く求める」と強調した。
現地の警察幹部はこの事件について現在、捜査を進めており、暴力・破壊行為を阻止する特別班を発足させた、と説明している。
インドでは2014年にヒンドゥー至上主義のインド人民党(BJP)が政権を取っており、同党は、ヒンドゥー国粋主義の武装組織、民族義勇団と関係が深い。また、ゴアでは、これ以前の2012年からBJPが州政府を握っているが、半面で宗教的少数派に対しては、中央政府よりも配慮する姿勢をとっている。州議会議員の6人のBJP 党員は前副首相のデ・ソーザ氏を含めてカトリック教徒だ。
デ・ソーザ氏は地元紙とのインタビューで、一連の暴力・破壊行為は、州の平和を妨げようとする「外部の者の計画的な行為だ」と非難、「犯人たちは、人物が特定されないように事前に墓地に設置された監視カメラを壊していることからも分かるように、警察当局にとって、少々手ごわい相手のようだ」とも語った。
彼は一連の暴力・破壊行為を政治と絡めるのを避けたが、ゴアで最近開かれたヒンドゥー教徒の大会で説教したサドヴィ・サラスワティ師は参加者たちに「牛、我らの母を守るために、武器をとれ」と呼びかけ、露骨に政治色を打ち出している。こうした動きに、別の州議会のBJP議員でカトリック教徒のアリナ・ダルダンハ女史は「サラスワティやヘイト・スピーチをする人々はゴアに立ち入るのを禁止すべきだ。最近の暴力・破壊行為は、地域社会の調和を破壊するのを意図したものだ」と対抗的な姿勢を見せている。
インドのカトリック社会正義と平和協議会の事務局長、サビオ・フェルナンデス神父は、インドのカトリック教会を代表する実態調査チームが7月13日にゴアを訪れ、一連の暴力・破壊行為について調査することを明らかにし、「現地を調べ、目撃者たちから話を聴いたうえで、調査報告書をまとめる」と語っている。
(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)
