「納得できない」ミュラー枢機卿、教理省長官事実上の解任で教皇批判(TABLET)

(2017.7.10  Tablet  クリスタ・ポングラッツ・リピット)   ゲルハルト・ミュラー枢機卿は6月30日付けでバチカンの教理省長官の職務を任期満了をもって解かれたが、そのやり方に納得がいかない、として6日付けのドイツの地方新聞のインタビューに答える形で、教皇フランシスコを批判した。

 この新聞、バイエルン地方の日刊紙「Passauer Neue Presse」のインタビューで、ミュラー枢機卿は「教皇から、お会いしてわずか一分、『あなたの長官としての任期を延ばすことはない』と告げられた。数カ月前に教理省のきわめて有能な3人の司祭が解任された時と同じように、私にも理由の説明はなかった。このようなやりかたは納得できない。司教としてこのような扱いをすることはできないはずだ。教会の社会教説はバチカンで働く人々にも適応されるべきだ」と語った。

 枢機卿は、7月4日夕に、自分の任期が更新されないことを同じドイツ人で親交のあった前ケルン大司教、ヨアヒム・マイスナー枢機卿に電話したが、彼はそうした教皇の判断を聞いて「ひどく困惑」し、「教会を損なうことになる」との考えを示したという。マイスナー枢機卿が亡くなったのは、それから数時間後のことだったが、ミュラー枢機卿によれば、彼が最も心配していたのは教会の現在の状況、「教会の一致と真理の妨げになる議論と論争」についてだった。

 教皇が昨春出した使徒的勧告「(家庭における)愛の喜び」の中で、離婚・再婚者に対する聖体拝領について実体に応じて現場の司祭、司教が判断できると読み取れることが欧米の教会関係者の間で議論を呼んだ。この内容に批判的な立場をとるマイスナー枢機卿ら四人の枢機卿が昨秋、教皇に対して具体的解釈を明確にするよう求める書簡を送ったが、教皇から回答がないとして、書簡の内容を公表し、物議をかもした。

  この問題について、当時、教理省長官の立場にあったミュラー枢機卿はインタビューで、「書簡は公表せず、外部非公表の会合で議論すべきだった」との判断を示した。また、この問題で、彼自身が話し合いに加わったことは一度もない、としたうえで、「シェーンボルン枢機卿、カスパー枢機卿たち4人が、カトリックの教義と、司祭による現場での判断をどのようにしてバランスをとるかについて、説明を試みようとしたことは、まったく納得がいかないと断言せねばならない」と強調した。

 またミュラー枢機卿はこのインタビューで、教皇がこの問題について残った三人の枢機卿と話し合うことを提案し、「教皇が私を信頼して、この対話をまかしてもらいたい、と言いたい。私にはそれにふさわしい力と責任感がある。話し合いを仲介できる」としたが、教皇を批判する動きを主導する考えはなく、対話と協力が求められており、「分裂を防ぐために、橋を架ける必要がある」と訴えた。

 ミュラー枢機卿は、また、亡くなったマイスナー枢機卿との関係について触れ、次のように述べた。「二人の関係は良好だった。時代精神(その時代に支配的な精神)の流れに声を挙げるマイスナー枢機卿の勇気を高く評価していた。真理をはっきりと主張するよりも、時代の流れに乗って泳ぐほうが容易だ。使徒たちは、真理を守ることが証しを意味することをすでに経験しており、証しすることが-必ずしも『血の殉教』につながることはない。一定の不利益を被らざるを得ない『言葉の殉教』も―特にその人が主流から外れている時に―あるものだ」。

(翻訳「カトリック・あい」田中典子)

(Tabletはイギリスのイエズス会が発行する世界的権威のカトリック誌です。「カトリック・あい」は許可を得て翻訳、掲載しています。 “The Tablet: The International Catholic News Weekly. Reproduced with permission of the Publisher”   The Tablet ‘s website address http://www.thetablet.co.uk)

 

 

 

 

 

 

 

 

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2017年7月12日