「あなたがたが”教会のプリンス”と言われることはない」と教皇、5人の新枢機卿に戒めの言葉(CRUX)

Pope Francis arrives in St. Peter’s Basilica to celebrate a mass on the occasion of a Consistory where he will elevate five new Cardinals, at the Vatican Wednesday, June 28, 2017. (Credit: AP Photo/Alessandra Tarantino.)

(2017.6.28 Crux Staff)教皇フランシスコが28日、バチカンで枢機卿会議を開き、5人の新枢機卿の任命式を行った。祈りと福音朗読に続いて行われた枢機卿の任命式では、教皇から名を呼ばれた新枢機卿たちが神の民の前で信仰宣言を唱え、次いで教皇の前で従順を誓った。なお、白柳枢機卿が亡くなって以来、8年も枢機卿がいない日本は、今回も任命されることがなかった。

 教皇は任命式での短い説教で、彼らに「あなた方は‶教会のプリンス〟になった、とは言われない、(そのようなことを期待せず)‶この世の罪〟の現実に対して目を見開き、奉仕するように」と戒められた。

 また、そのような罪の現実を、厳しい言葉を使って次のように述べられた。「戦争とテロ、人権が叫ばれる時代にあっても人の尊厳が侵害され続ける奴隷状態の様々な形、しばしば煉獄よりも地獄のように見える難民キャンプ、もはや役に立たないとされる人も含めたすべてのものの組織的な廃棄。そのようなことの犠牲者として傷つき、命を落とすのは、罪のない人たちです」。

 

 そして、「イエスは、そのような悪を根本から排除するために来られたのです」として、新枢機卿たちに、‶確固とした意志〟を持って、イエスに付き従うように求められた。「イエスはあなた方に、この世の罪とそれが人間に与える影響に、ご自分がしたように面と向かうように呼びかけておられます」と強調されたうえで、「別の関心や期待に惑わされないように」と強く求められた。

 この日、教皇フランシスコによって任命された新枢機卿は以下の5人。

*ジャン・ゼルボ、バマコ大司教(マリ)*フアン・ホセ・オメリャ、バルセロナ大司教(スペイン)*アンデルス・アルボレリウス、ストックホルム司教(カルメル会士、スウェーデン)*ルイ・マリ・リン・マングカネクコン、パクセ使徒座代理区・代牧司教(ラオス)*グレゴリオ・ロサ・チャベス、サンサルバドル大司教区・補佐司教(エルサルバドル)

 新枢機卿5人を代表して教皇に挨拶したオメリャ大司教は「私たちは自己言及的な教会(a self-referential church)を望みません。この世の数々の道を巡礼する教会を望みます。多くの人々の涙をぬぐい、希望を育てるような」と約束した。

 枢機卿任命式は、2013年春の教皇就任以来、今回で四度目。shン枢機卿5人が加わったことで、教皇フランシスコの下で任命され、80歳未満で教皇選挙権を持つ枢機卿は50人近く、伝統的な枢機卿枠である120人の4割を占めることになった。新枢機卿任命に当たっての教皇の希望は、これまで通り、枢機卿団を世界的な性格を持つものにしていくことだ。教皇就任からこれまでに、ハイチ、トンガ、ミャンマーなど、これまで枢機卿がいなかった国に枢機卿を任命した。今回も、5人のうち、スペインを除く、マリ、スウェーデン、ラオス、エルサルバドルの四人は各国で初の枢機卿となった。

 新規任命は5人と少ないが、さまざまな話題を呼んでいる。まずチャベス大司教は、先に福者に列せられたロメロ大司教の下で彼の意を受けて働いた。スウェーデンのアルボレリウス司教は、ルーテル教会からの改宗者で、スウェーデンだけでなくスカンジナビア半島全域でみても初の枢機卿だ。移民増加の影響もあってカトリックが増えている先進国では貴重な地域である。

 ラオスからの枢機卿は、昨年のミャンマーに続く、カトリック信徒がベトナムを除いて、まだそれほど多くない東南アジアの国での枢機卿任命として注目される。

 そうした中で、マリのゼブロ大司教は、不正資金疑惑が持ち上がる中での任命になった。彼と他のマリの教会幹部はスイスの銀行に1300万ドルの秘密口座を開設したことが直前に明るみになった。口座開設そのものは違法ではないが、その資金がどこから持ってきたものかについて、大司教は説明を拒んでいる。任命式後の祝賀会も、報道陣に囲まれて質問攻めにされそうになり、バチカンの広報担当者の判断で、中途退場を余儀なくされた。

 

 

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2017年7月1日