(2016.9.6 「菊地功司教の日記」より)
8月の末に、カリタスアジアの会議のためにネパールのカトマンズに出かけてきました。今年二回目のカトマンズです。(編者注・菊地功司教は、カリタスジャパンの責任司教)
カリタスアジアでは現在、次回の国際カリタスの総会が開催され、またわたし自身の総裁の任期でもある2019年までの中期活動計画を策定するために、いわゆる「Strategic planning」、直訳すれば「戦略計画」の立案中です。戦略計画とはいかにも堅苦しい響きですが、優先事項を明確にし目標を確定することで、具体的な行動計画を立案するために不可欠な計画です。言ってみれば「行動方針計画」のようなものです。
カリタスアジア全体の計画策定に先だって、四つの地域(中央アジア、南アジア、東アジア、東南アジア)でワークショップを開催して、専門のコンサルタントに指導を受けながら、それぞれの地域の考えを反映させることになりました。その第一回が、この8月29日と30日にネパールの首都カトマンズで開催され、南アジアのカリタスの代表が集まりました。参加したのはパキスタン、インド、スリランカ、バングラデシュ、ネパールの代表で、主催者である私やカリタスアジアの事務局長、そして今回の一連の計画策定の指導をお願いしているコンサルタントも含めて14名の参加がありました。
同様のワークショップは今後10月までにすべての地域で行われますが、残念ながら主催者である私は日程の関係で、すべての参加することは出来ません。もしかしたら、最後に行われる中央アジアに参加できるかもしれませんが、開催場所がキルギスなので、どうなるやら。
飛行機の関係で私は数日早くカトマンズに出かけました。ちょうどその週末、8月27日にはカトマンズのカテドラルで、ポール・シミック司教の司式でイエズス会の司祭叙階式が行われるとのこと。一緒に叙階ミサに参加することが出来ました。
ネパールは主にヒンズー教の国ですし、全体で七千人ほどのカトリック信者しかいない、カトリックが少数派の国です。先代で初代でもあった司教さんはイエズス会員でネパールの方でしたが、現在の司教さんはインドのダージリン出身。叙階されたイエズス会員もインド出身で、今後ダージリンでの司牧研修を経てネパールで働くことになるのだそうです。叙階式には、遠くインドのタミルナドから、新司祭のご両親もおいでになっていました。ネパール知牧区は、司教総代理のシラス・ボガティ神父がネパール人で、彼がカリタスネパールの責任者も兼任しています。ネパール出身の司祭も10数名で、多くの司祭がインド出身です。ネパールの教会のためにもお祈りください。
カテドラルは一杯でしたから、500人くらいの方がミサに参加したのではないでしょうか。カラフルに装った子どもたちの踊りもあり、また聖歌隊もリズムに乗って素晴らしいハーモニーで、喜びに満ちあふれた叙階式のミサでした。ミサ後の午後にはシラス神父の案内で、昨年の地震で大きな被害を受けた世界遺産にも登録されている王宮などがあるダンバール広場へ出かけました。今年の4月にネパールを初めて訪れたときは、訪れる時間がありませんでした。

修復作業が進んでいましたが、はっきりと地震の爪痕を見ることが出来ます。またそれぞれの歴史的建物の前には、地震前の姿を写した写真が掲示されており、地震の被害の大きさを知ることが出来ます。完全な修復にはまだまだ時間がかかるものと思われますが、それでも多くの観光客が訪れていました。前回4月の訪問では、地震の被害から復興を目指している山間部の村をいくつか訪ねることが出来ました。
今回は、首都の中の被害地域を訪れることが出来ました。耐震のほとんどない煉瓦造りの家ばかりですから、同じような地震が発生すれば、大きな被害が発生することは容易に想像がつきます。地震大国でもあり、同時に耐震対策の先進国でもある日本からの積極的な支援は、ふさわしいのではないでしょうか。なおカリタスジャパンでは、カリタスネパールの主導する長期的な復興活動に、日本からの募金を充てていく予定でおります。
