「殺戮、犠牲者・・何と多くの悲しみ、私たちを愚かさの鎖から解き放ってください」(Crux)

Pope Francis presides over the Via Crucis (Way of the Cross) torchlight procession on Good Friday in front of Rome’s Colosseum, Friday, April 14, 2017. (Credit: AP Photo/Alessandra Tarantino.)

 エジプトの二つのコプト・カトリック教会へのテロ攻撃で始まった今年の聖週間は、聖金曜日にはアフガニスタンでイスラム過激派〝イスラム国″に対する米軍の通常兵器としては最大の破壊力を持つ爆弾の投下もされた。そうした中で、教皇フランシスコは、14日夜のバチカンでの聖金曜日の礼拝で、イエス・キリストの前でshame(強い悲しみ、遺憾、恥)を表し、暴力、無関心、そして戦争によるすべての犠牲となっている人々を救いにきてくださるように祈った。

 教皇は、祈りの中で「女性たち、子供たち、難民、そして肌の色、人種、社会階層、宗教の違いで差別・迫害されている人々の無実の血が毎日のように流されていることに、強い悲しみを表明いたします」と述べた。

 ローマ現地時間の14日午後9時過ぎから始まった聖金曜日の礼拝は、キリストが十字架上での死に至る経過を思い起こすために十字架の道をたどる行列に始まった。今年は、車椅子に乗った男性、インドとアフリカら参加した修道女、エジプト人家族、中国からの信徒が、十字架を担いでコロッセウムを回る行列に加わった。バチカンの保安当局によると、厳重な警戒にもかかわらず、コロッセウムには2万人の信徒たちが集まった。

 教皇は祈りの中で、この世の希望と共に強い悲しみを表したうえで、十字架上での死を通してこの世界を救われたと信徒たちが信じるイエスに対して懇願した。

 「キリスト、私たちの唯一の救い主、私たちは今年、強い悲しみに瞳を下げ、それでも希望に満ちた心をもって、再びあなたと向き合います」「キリスト、私たちは自分の人生の中で当たり前のようになっている荒廃と破たんのあらゆる姿に対する悲しみ一杯の眼差しで、あなたに向き合います」「これほど多くの不正に対して私たちが口をつぐんでいること、優しいポーズをとりながら手を汚していること、強奪することに貪欲であることへの強い悲しみです」と告白した。

    そして、カトリック教会の上層部に対しても容赦せず、「私たち、司教たち、司祭たち、男女の聖職者たちは、あなたを憤慨させ、あなたの身体、カトリック教会を傷つけたことに、強い悲しみを表します」と語った。

 さらに教皇は、「何と多くの悲しみ。しかし、主よ、私たちは、あなたが私たちの手柄ではなく、あふれるような慈しみで私たちを癒してくださる、という確かな希望を思い起こしています。私たちがあなたの意に背いたことであなたの偉大な愛を弱めることがない、あなたの父、母の心が私たちが心底から固く閉じていても、私たちをお忘れにならない、という希望を」と述べ、「私たちを利己的な欲望、意図的な盲目、世俗的な打算の愚かさの虜にしている鎖から解き放ってくださるように、あなたにお願いします」と祈った。

(翻訳・「カトリック・あい」南條俊二)

・・Cruxは、カトリック専門のニュース、分析、評論を網羅する米国のインターネット・メディアです。 2014年9月に米国の主要日刊紙の一つである「ボストン・グローブ」 (欧米を中心にした聖職者による幼児性的虐待事件摘発のきっかけとなった世界的なスクープで有名。映画化され、日本でも昨年、全国上映された)の報道活動の一環として創刊されました。現在は、米国に本拠を置くカトリック団体とパートナーシップを組み、多くのカトリック関係団体、機関、個人の支援を受けて、バチカンを含め,どこからも干渉を受けない、独立系カトリック・メディアとして世界的に高い評価を受けています。「カトリック・あい」は、カトリック専門の非営利メディアとして、Cruxが発信するニュース、分析、評論の日本語への翻訳、転載について了解を得て、掲載します。

 

 

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2017年4月15日