
(2017.3.31 バチカン放送)マルティン・ルターの宗教改革から今年で500年を機に教会史の立場から捉えなおす国際会議が教皇庁歴史学委員会主催で3月29日から31日までローマで開かれ、教皇フランシスコが会議の参加者と会見された。
「ルターから500年、ルターの宗教改革を教会史的背景から再読する」と題されたこの会議には、カトリックとプロテスタントの双方から研究者・専門家が参加し、会議最終日にバチカン宮殿で会見された教皇は、会議開催に神への感謝を表すとともに、「バチカンの組織の主催でルターについてカトリックとプロテスタント関係者が話し合うということは一昔前には考えられなかったことであり、ある種の驚嘆を感じます」と感想を述べられたうえで、「このことはまさに『対立』を『交わりにおける成長』へと変容させる『聖霊の働きの実り』です」と語られた。
この会議では様々な機関から参加した研究者が、宗教改革という出来事を共に見つめ、ルターの生き方と当時の教会と教皇庁に対する彼の批判についての考察を深めたが、教皇はこうした試みが、カトリックとプロテスタント間の過去の相互不信と対立を乗り越えるための一助となることを期待。「注意深く厳密な、先入観とイデオロギー的批判から解放された研究は、教会間の対話を通して、宗教改革の中にどれだけ前向きで正しい面があったかを判断し、分裂に至った罪の認識をも可能にしてくれるものです」と評価された。
過去を変えることはできないが、カトリックとプロテスタントの50年間にわたるエキュメニカル対話を経た今、500年前の出来事の非現実的な修正を試みるのではなく、互いの歪んだ見方によって与えられた傷への遺恨を引きずらず、「こうした歴史を別の方法で語る」ことによって「記憶を浄化していくことは可能です」と強調。「今日、私たちは皆キリスト者として『異なるアクセントや表現で‶他人″が宣言する信仰』に対する先入観から解放され、先人が犯した罪の赦し、和解と一致の賜物を神にともに祈り求めるように招かれています」と説かれた。