「南スーダン、大量餓死の危機に」現地カリタス代表の司教が訴え(Crux)

 (2017.3.22 Crux VATICAN CORRESPONDENT Inés San Martín)世界で最も若い独立国である南スーダン、2013年以来続く内戦で引き裂かれ、何百万の人々が餓死の危険に追い込まれている。この国のカトリック司教、エルコランド・ロドゥ・トンベ師は教皇フランシスコが検討している10月の訪問が希望の徴になる、と希望している。

 「もしも機会があれば、米国のトランプ政権と議会に『‶アメリカ・ファースト”が‶アメリカ・オンリー″を意味してはなりません』と言いたい」「トランプ大統領は米国の国民によって選ばれたのですから、米国民がアメリカを第一にしたいと思っていると考えるでしょう。それに異議を唱えることはしませんが、『アメリカ・ファースト』は『アメリカ・オンリー』ではないのです」と司教は念を押した。また司教は「大量虐殺の危機に直面」している南スーダンを、教皇フランシスコが10月に訪問することを検討していることに触れ、教皇が英国国教会の指導者と共に同国を訪問することが、武力紛争を対話によって終結させることを、紛争当事者の現大統領と前副大統領に強く促すことになる、と実現を訴えた。

 国連によると、飢きんに襲われている南スーダンは、ここ数か月のうちに事態が改善しない限り、五百万人が餓死の危険に瀕する。トンベ司教は、同国のカリタスの責任者だが、現在、ローマでカリタス・インターナショナル本部に出向き、危機回避へ支援強化を求めた。このような緊急食糧支援の重要性は言うに及ばないが、和平実現が緊急の課題だ。「教皇は国際社会に南スーダン支援をお求めになりました。単に口先だけでない支援です」。また、教皇はアフリカ諸国訪問の一環としての南スーダン訪問にとどまらず、英国国教会のジャスティン・ウエゥルビー大主教とともに訪問する考えを示している。

South Sudanese bishop: ‘America first’ cannot mean America only

 南スーダンではこれまでの内戦で、数万人が死亡し、三百万人を超える人々が故郷を脱出している。国連人権委員会の幹部はこのほど、同国が大量虐殺の瀬戸際にあり、「かつてルワンダで起きたような悲劇が繰り返されそうになっている。国際社会には、それが繰り返されないようにする義務がある」と訴えた。トンベ司教も「まだそのような悲劇が起きていませんが、そうなる恐れが現実にある」と強調する。

 カリタス・インターナショナルの責任者、マイケル・ロイも、司教の見方に同意し、「現地の人々は、現地政府を信用していません。故郷を追い出す政策をとっている。ある意味では、これは『民族浄化』と言ってもいい、全く恐ろしい状況です。追い出された人々に食料を供給するのも困難になっています」と語った。「しかも、周辺国は、自国を守ることを優先し、援助の手を差し伸べようとしない。和平交渉のためにやるべきことは沢山あるのです」。

 カトリック教会の関係援助機関、とくに米国の司教団が作った国際援助組織(CRS)は、国連食糧計画と、人々に食料援助が届くように努め、実際に現場でも働いている。ロイ氏は「幸い、メディアの関心も高まって、いくつかの国も支援に動いている」というが、一方で、トランプ米大統領のように国際援助の予算削減の動きもある、と指摘し、「『自分はこの問題にも、あれにも関心がない』というようなことを言っていたら、世界で起きでいる問題を増幅することになるのです」と批判している。

 (南條俊二訳)

 

 

 

 

 

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2017年3月24日