・カトリック精神を広める㉖ 勧めたい本紹介・9「完訳ドン・ボスコ伝」

 今月のお勧めしたい本は、「完訳ドン・ボスコ伝」テレジオ・ボスコ著,サレジオ会訳( 2011年1月31日初版、ドン・ボスコ社)。

 紹介しようと読み進めた本がまだ読了できず、どうしよう、締め切りまで間に合わない、と思い、本棚に立ったら、この本が目に付ついた。考えてみたら、今週末の31日はサレジオ会の創設者、ドン・ボスコの命日であることを思い出した。これは何かの縁だろうか。

 ドン・ボスコの伝記はいくつか出ている。自叙伝もあるが、この本は最新の資料に基づく、「平易な文章と劇的に表現する才覚」により書き上げられたものだ。一気に読ませる面白さがありながら、学術的に踏まえたドン・ボスコの生涯をしっかり描いている。

 サレジオ会はご存知のように、全世界に、130以上の国に、4,100ヶ所以上の学校、大学が設立されている。日本では1926年にチマッチ神父が8人の司祭を連れて来日して以来、全国12支部に、教会、学校、職業学校等が設けられている。この本では、子供を教育するサレジオ修道会をどのように立ち上げたのかを記しています。

 ”げんこつ”ではなく、愛をもって青少年に接するように、との聖母の諭しを、9歳の時、夢に見て以来、苦労して司祭になり、職も無く、悪に手を染める巷にあふれる青少年のために職業学校を設立して以来、亡くなるまでの生涯を描いている。

 奇跡も数多く掲載されているが、1つだけ紹介しよう。この奇跡を報告した学生は、ミサ中にドン・ボスコに告解をしている最中だったが、ミサが終わった後に、朝食用のパンを400人の子供に配る係をしていた学生が告解を聞いているボスコの所にやって来て、小声でこう告げた。「パンが12個しかありません。お金を払っていないので、パン屋さんがパンを届けてくれません」。ボスコは答えた。「分かった、残っているパンを集めてかごに入れておきなさい」と。

 奇跡を報告した学生は、それを聞いていて、ボスコが時々奇跡を行うことが知られていたため、好奇心もあって、事の次第を見ようと、ボスコが何をしているかを、そばで注視する。ボスコは、聖堂の後ろでかごを持ち、パンを配り始め、400人の学生に配り終わった後、籠には、まだパンが残っているのが見えた。そこで、近くに寄ってかごの中を見たら、なんと、まだ12個のパンが残っているではないか。

 仰天したこの学生、奇跡を目の当たりに見て、感動し、一緒にミサに来ていた母親に告げた。「家に帰らない、奇跡を行ったボスコと一緒にいたい。サレジオ会の寄宿生になる」と。そうして、彼はサレジオ会の司祭になったのだった…。

 横浜教区信徒 森川海守(もりかわうみまもる)(X:https://x.com/UMImamoruken HP:https://mori27.com

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2026年1月30日