
(2025.12.5 Vatican News Isabella H. de Carvalho)
教皇レオ14世は5日、 Centesimus Annus Pro Pontifice Foundation とカトリック系研究大学戦略同盟(SACRU)が主催した会議の参加者たちと会見され、新技術やAI(人工知能)との関係において「新世代は成熟と責任への道程で妨げられるのではなく、助けられねばなりません」と説かれた。
この会議は「AI(人工知能)と私たちの共通の家への配慮」を主題として同日開かれた。
教皇は参加者たちへの挨拶で、「膨大なデータや情報に『アクセスできる能力』と、そこから『意味や価値を導き出す能力』は、混同すべきではありません… 後者には、支配的な文化的・経済的モデルによって軽視され嘲笑されることが多い現実であっても、私たちの存在の神秘や核心的な問いに向き合う意志が必要です」と強調。
そして、「社会の幸福は… 若者たちが自らの才能を育み、時代の要請や他者の必要に応える能力、すなわち寛大さと自由な精神をもって対応できるかどうかにかかっています」とされ、若者たちに「自らの知性をもってこれらの新技術を駆使し、真実を探求し意思決定の幅を広げる方法を教える」よう、求められた。
教皇はさらに、「私たちは彼らが『異なる存在でありたい』『より良くなりたい』という願望を支持します。なぜなら、『成熟』という概念において、根本的な方向転換が必要だ、ということが、これほど明確になったことはかつてなかったからです」と述べられ、「若者たちと共に未来を築くためには、AIのような新技術の発展を『避けられない道』と見なすのではなく、『発展を導く人間の能力への信頼を回復、強化することだ必要」と強調。
「これには政治、機関、企業、金融、教育、コミュニケーション、市民、宗教共同体を含む協調的かつ一致した行動が求められます… これらの分野の関係者は、この共同責任を引き受けることで、共通の取り組みを遂行するよう求められているのです。そして、この取り組みは、ますます少数の手に集中する『党派的な利益や利潤』よりも優先されるべきです。目標達成には、広範な参加が求められています」と説かれた。
また教皇は、AIが社会に急速かつ深い変化をもたらし、すでに毎日何百万人もの人々に影響を与えつつあると同時に、「批判的思考、識別力、学習、対人関係」といった人間の本質的側面にも影響を及ぼしている点を指摘。こうした観点から、これらの技術の影響を評価する際に考察すべき、いくつかの問いかけをされた— 「AIの発展が真に公共の利益に資し、少数の者による富と権力の蓄積に利用されないようにするにはどうすればいいか?」「今日の世界の市場で最も価値のある商品は、まさにAIの分野にある… この歴史的瞬間に『人間である』とは、どういうことか?」。
こうした状況を踏まえ「特に注意深く立ち止まり、子供や若者の自由と内面生活、そして技術が彼らの知的・神経学的発達に及ぼす可能性のある影響について熟考することが極めて重要」と強調。「人間は創造の業における協力者として召されている。人工技術が生み出すコンテンツの受動的な消費者であってはなりません」と言明された。
そして、「AIは確かに創造性の新たな地平を開きましたが、同時に、真実と美への人間の開放性、驚嘆と瞑想の能力に対する深刻な懸念も提起しています… 人間を特徴づけ、その均衡ある成長を保証するものを認識し保護することこそが、AIがもたらすものを管理する適切な枠組みを確立するために不可欠です」と訴えられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)