An installation commemorates victims of femminicide (ANSA)
(2025.11.25 Vatican News Beatrice Guarrera)
25日の国連「女性に対する暴力撤廃国際デー」にあたって、国連が女性に対する暴力の実態に関する統計を明らかにし、オンラインによる虐待の増加が新たな問題として指摘した。また、カトリックの人身売買被害女性の救済に当たる「タリタ・クム」は何百万もの人身売買被害に遭った女性や少女たちの苦境を訴えている。
*スーダンでの惨状
国連女性機関(UN Women)の東・南部アフリカ地域局長、ジネヴラ・アンナ・ムタヴァティ氏は記者団に、「スーダンで惨事が起きている北ダルフールの州都エル・ファーシェルの女性たちは、飢え、避難、レイプ、爆撃について訴えています。女性たちが最も重い負担を負わされている」と説明した。
スーダンでは国軍に対抗する準軍事組織RSFが500日以上に及ぶ州都包囲の後、市民の即決処刑や性的暴力を含む広範な虐待が行われていることが報告されている。
*世界の全女性の3分の1が性的、身体的暴力を受けている
だが、このような女性に対する脅威は、世界の戦乱地域に限らない。国連の推計によると、世界で8億4000万人の女性、全女性の約3人に1人が、生涯に少なくとも一度は、パートナーによる身体的・性的暴力、非パートナーによる性的暴力、あるいはその両方を経験している。
そして、世界のどこかで10分ごとに女性が殺害されている。過去1年間で約5万人の女性が殺害された。その60%はパートナーや親族によるもの。男性で殺された人のうち、家族による殺害はわずか11%で、ジェンダー不平等と女性蔑視が依然として主要な要因となっている。
毎日137人の女性が殺されているという数字は、世界全体では2023年よりわずかに減少したものの、地域によっては増加がみられ、アフリカは最多を更新、昨年は約2万2000人の犠牲者が出ている。
*オンライン上の虐待は拡大を続けている
また、科学技術の発展が新たな暴力形態を生み出している、と国連は指摘する。画像・情報の無断共有、個人情報の暴露(ドックス)、人工知能による偽造動画(ディープフェイク)などによる、嫌がらせや組織的な憎悪キャンペーンは全年齢層の女性を標的としているものが多い。世界の全女性の38%以上がオンライン暴力を経験したと推定され、85%がデジタルプラットフォーム上で他の女性への虐待を目撃している、という。
*「タリタ・クム」が救済した人身売買被害者は昨年一年で4万7000人―オンラインの世界が性的搾取の主要な場に
また、カトリックのシスターたちが主導する人身売買の被害者救済の国際ネット・ワーク「タリタ・クム」の国際調整担当、シスター・アビー・アベリノは、「デジタルによる暴力はますます広範化し、オンラインの世界は今や性的搾取の主要な場になっています」と指摘する。
「タリタ・クム」では、「女性に対する暴力撤廃国際デー」の25日に、世界中の会員が25日にオンライン会合を開き、戦争や紛争がジェンダーに基づく暴力に与える影響について現状報告や意見の交換を行い、特に、ウクライナ、グローバル・サウス、アフリカ諸国、そしてアジアなど、あらゆる場所にいる脆弱な女性や少女たちに特に焦点を当てて議論した、という。
「欧州には依然として多くの人身売買の被害に遭う女性、特にオンラインのネットワークによって移動を強制された女性たちが流入し続けています」とシスター・アベリノは言う。
また、シスターは、最近の事例として、南スーダン出身の若い女性がインターネットで助けを求めてきたケースを挙げた。彼女の居場所は分からなかったが、発信元は特定でき、チャドに連れ去られていたのを突き止め、イタリアの協力団体と連携して、救い出し、この人身売買被害者は、母親と再会できた。
「タリタ・クム」の最新報告書では、2024年にネットワークが救済した被害者は4万7000人に上る。「今日、私の思いは、人身売買に苦しむ女性や少女たちにあります。『タリタ・クム』として、苦しむ人々に寄り添い、傾聴と保護と優しさを提供し続ける決意を新たにしています。そうすることで、すべての少女が希望と安全、再出発の力を取り戻せるように。共に『タリタ・クム』―『少女よ、起きなさい』と」とシスター・アベリノは語った。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)