
(2025.7.10 Vatican News Isabella H. de Carvalho)
教皇レオ14世は10日、ジュネーブで開催中の国連の情報通信技術専門機関・国際電気通信連合(ITU)主催の「AI for Good」サミットへメッセージを送られ、「AIが共通善に従って開発・利用されるような枠組みや規制」の作成を参加各国に求められた。
メッセージで教皇は「倫理的な明確さを求め、人間の固有の尊厳と基本的自由の共通の認識に基づき、AIの地域的・世界的な協調的ガバナンスを確立するようお願いしたい」とされ、「多くの人々が『人間であることの意味』を考える『深遠な革新の時代』において、世界はAIが牽引するデジタル革命で生み出される巨大な可能性に直面し、岐路に立たされています」と指摘された。
*AIには倫理的管理と規制の枠組みが必要
「AIが純粋に技術的なアルゴリズムによる選択を行うことで、多くの状況に自律的に適応できるようになるにつれ、その人間学的、倫理的な意味合い、危機に瀕している価値観、それらの価値観を守るために必要な義務や規制の枠組みを考慮することが極めて重要です」と述べ、具体的には、「AIシステムの倫理的使用に対する責任は、それを開発、管理、監督する人々から始まりますが、ユーザーもこの使命を共有する必要がある。AIには、『人間を中心とした適切な倫理的管理と規制の枠組み』が必要であり、それは単なる実用性や効率性の基準を超えるものでなければなりません」と強調された。
*AIは、道徳的識別や真の人間関係形成の能力を複製できない
続けて教皇は、聖アウグスティヌスの 「秩序の平穏 」という概念を引き合いに出され、「これを共通の目標とすべきです。AIは 『より人間的な社会関係の秩序 』と 『不可欠な人間的発展と人類家族の善に奉仕する平和で公正な社会』」を促進せねばなりません」と強調した。
そして、AIは人間の推論をシミュレートし、タスクを迅速かつ効率的に実行したり、「教育、仕事、芸術、医療、統治、軍事、コミュニケーション」などの分野を変革したりすることはできるが、「道徳的な識別や真の人間関係を形成する能力を複製することはできない」と警告。
「このテクノロジーの発展は、人間的・社会的価値の尊重、明確な良心をもって判断する能力、人間としての責任感の成長と手を携えていかなければなりません… AIが公共の利益のために開発・利用され、対話の架け橋となり、友愛が育まれるようにするためには、識別力が必要。AIは、人類全体の利益に貢献する必要があのです」と訴えられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)