(評論)弱々しく、苦しむ教皇フランシスコが私たちに思い起こさせたものは…(LaCroix)

(2025.3.24 La Croix  Senior Editor  Loup Besmond de Senneville)

 (プーチン、習近平、そしてトランプと)世界が強権的な支配に傾くなか、”か弱い”教皇フランシスコが帰ってきた。弱さ、思いやり、そして苦しむ人々との連帯に根ざしたリーダーシップについて、静かだが、力強い証言をしておられる。

 38日間のジェメッリ病院での入院生活を終えられた教皇は23日、退院され、バチカンに戻られた。 今や”有名”になった白いフィアット500に乗り込む直前、病院のバルコニーから、中庭に集まった数多くの信者たちに挨拶された。

 その場にいた人々、そして生中継を見ていた多くの人々が、明らかに疲れ切った教皇の姿を見た。顔は引きつり、かろうじて聞き取れる声で語られ、信者たちを祝福するために腕を上げるのに苦労されていた。 しかし、教皇は、ご自分の弱さを隠そうとはされなかった。88歳という高齢の彼が、教皇職の新たな段階に入ったことは間違いない。

 ドナルド・トランプ、ウラジーミル・プーチンといった人物の強権政治にますます引き込まれる世界において、カトリック教会は今、苦悩する教皇に導かれている。 世界中のキリスト教徒が復活祭に備える四旬節の最中に、教皇はこれまでとは異なる種類のメッセージを伝えようとしておられるのかもしれない。

 事前に用意された正午の祈りのメッセージでイスラエルによる大規模なガザ空爆の中止を訴え、弱々しい声と不安定な手つきで信者に挨拶された教皇は、世界で最も弱い立場にある人々の苦しみに寄り添う、従来とは別の形のリーダーシップが可能だということを、世界中の多くの人に思い起こさせる役割を果たされたのだった。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

(注:LA CROIX internationalは、1883年に創刊された世界的に権威のある独立系のカトリック日刊紙LA CROIXのオンライン版。急激に変化する世界と教会の動きを適切な報道と解説で追い続けていることに定評があります。「カトリック・あい」は翻訳・転載の許可を得て、逐次、掲載していきます。原文はhttps://international.la-croix.comでご覧になれます。
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2025年3月25日