FILE PHOTO: Illustration shows words ‘Artificial Intelligence AI’ (REUTERS)
(2025.2.25 Vatican News Deborah Castellano Lubov)
教皇フランシスコは25日、バチカンの未成年者・弱者保護委員会などが主催して同日から始まった第4回ラテンアメリカ会議にメッセージを送られ、会議のテーマである「AI(人工知能)と性的虐待:防止に向けた新たな課題」に関連して、「AIを使用したり設計したりする際には、我々には責任が残ることを忘れてはなりません」と関係者たちが持つべき「責任と良心」を強調された。
1月13日に署名されたメッセージの中で、教皇はまず、「神に祈りを捧げます。社会からこの災厄を根絶するためのあらゆる努力を支え、特に、皆さんが推進しておられる取り組みと、その成果を祝福してくださるように」と祈られた。
*インターネットに革命をもたらすAI
そしてこの会議が、「AI(人工知能)」というテーマを選んだことを思い起こされ、「津波のように進化し続けるインターネットが、世界の現実を革命的に変えています… 高齢の司祭にとって、これらのトピックの技術的な要素は理解するのが難しいかもしれません。また、ウェブという、私たちが『パラレルワールド』と呼ぶ世界におけるあらゆる進歩について、最新の状況を把握し続けるのは困難です。しかし、真実、つまり『大文字のT』で始まる真実、すなわちイエス・キリストは、新しいものとして現れるあらゆる主題について考察する上で有効です」と指摘。
さらに、「AIに関して生じる可能性のある多くの問題について、確かに体系的に議論で取り上げることになるでしょうが、その中には『責任』も含まれます」と述べられた。
*だが、責任は「私たち」に残る
AIの場合、「認識された『免責』が存在し、それは不適切な”素材”を単に閲覧、送信、収集するだけでなく、『新しい』合成コンテンツの作成にまで及ぶことで、新たなレベルに達しています」とされた教皇は、「これらの素材が『私たちの手によって作られたものではない』という事実が、『自分自身が恥ずべきことを行っているわけではない』という誤った錯覚を生み出す可能性があります。例えば、個人を攻撃したり、画像を盗用したり、他人が生み出した概念やアイデアを利用したり、本来は非公開であるべき情報を暴露したりといったことです」と指摘。
「しかし、それは真実ではありません… 機械は人間の命令に従い、実行はするが、独自に判断することはないが、独自に判断するようにプログラムされている場合は、そうではない」と警告され、「AIのリスクを認識することは、強力な車を運転するリスクを認識することに似ています。テクノロジーの利用には、強力な車を運転する際に『アクセルを踏み込む』ことや『反対車線にはみ出す』ことと同じように、危害を生み出すリスクがあることに注意せねばなりません」と警告された。
*聖書は私たちを導くことができる
そのうえで、教皇は「そのようなテクノロジーの利用者はもとより、その安全性を確保しなければならない設計者も、自分が負える範囲で責任を負わなければなりません」とされ、「聖書はこれらの課題への対応を導くことができます」と強調。
第一に「神と神に助けを求める犠牲者の声を代弁し、その害について認識を高めること」によって、第二に「良心の呵責を和らげるための口実としてテクノロジーを利用することの偽りを暴くこと」によって、 「個人、テクノロジー設計者、当局者に対して、その有害な、あるいは犯罪的な使用を防ぐための明確で具体的な、強制力のある規制を確立するよう促すことができるのです」と説かれた。
メッセージの最後に、教皇はは、イエスが会議の参加者を祝福し、マリアが彼らを見守るよう祈り、彼らにも祈りを捧げるよう求められた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)