(2024.6.26 Vatican News Deborah Castellano Lubov)
26日の国際薬物乱用・違法取引反対デーにあたって、教皇フランシスコは同日の水曜恒例一般謁見の説教で「(違法)薬物の中毒者とその家族の多くの悲劇的な話を知って、私はこれらの危険な物質の製造と取引を終わらせることは道徳的義務であると確信しています」と言明された。
1987年の国連総会で定められた国際薬物乱用・不正取引防止デーの今年のテーマは「証拠は明らか:予防に投資せよ」だ。教皇はまず、薬物使用は共同体社会を貧困に陥れること、そしてすべての中毒者が独自の物語を持ち、神の子としての尊厳を持っているとしても、薬物使用は社会のあらゆるレベルで重大な害を及ぼすこと、を繰り返し強調された。
そして、「麻薬の売人や密売人の邪悪な意図や行為を無視することはできません」とされ、「一部の国で提案され、あるいはすでに実施されている麻薬使用の自由化によって麻薬中毒の減少は達成されない」と批判。「世界中の何百万もの人々が薬物中毒に陥っているという悲惨な状況、そしてそのような薬物の違法な製造と取引の蔓延に直面して、私たちは無関心ではいられません」とし、「イエスに倣って、私たちも行動しましょう。私たちは、脆弱さと痛み、孤独と苦悩の叫びに耳を傾け、身をかがめて薬物の奴隷に陥った人々を引き上げ、生き返らせるよう求められています」と訴えられた。
また、「権力と金銭の論理に突き動かされ、どんな犠牲を払ってでも(違法薬物を作り、売りさばこうとする)死の密売人が(この地球上に)何人いるのでしょう!」と非難され、「暴力を生み出し、苦しみと死をまき散らすこの災厄は、社会全体に勇気ある行動を求めています… 暴力を生み出し、苦しみをまき散らすこの災厄、そして死は、社会全体に勇気ある行動を要求しています」と改めて強調。
さらに「麻薬の生産と密売は、環境にも破壊的な影響を与えています」と述べ、ブラジルのアマゾンの森林地帯への影響を例に挙げられた。
これらすべてを踏まえ、教皇は「予防を通じて」麻薬乱用と密売に対抗するよう呼びかけ、それは「より正義を推進し、個人とコミュニティの生活を築く価値観を若者に教育し、困っている人に寄り添い、将来に希望を与えることによってなされる必要があります」と述べられた。
教皇はまた、外国訪問中に中毒患者の回復のためのコミュニティを訪れたことを思い起され、そこで出会った司祭、修道者、一般の人々を「善きサマリア人のたとえを実践する決意の力強く希望に満ちた証人」と呼ばれたうえで、「麻薬中毒者の扱いに関する公正な法律と政策を推進し、惨劇を止めるための予防を行うために、さまざまな司教協議会が行った努力に慰められています」と語られた。
最後に教皇は、この国際デーにあたって、キリスト教徒と教会共同体に対し、「この日に込められた思いのために祈り、決意を新たにするように」と促され、説教を締めくくられた。