・アジア司教協議会連盟総会は30日までー「最終文書でアジアの教会のビジョンを明確にする」とグラシアス枢機卿

(2022.10.13  カトリック・あい)

 12日から始まったアジア司教協議会連盟の創立50周年記念総会の詳細な日程が明らかになった。

 総会の総括責任者であるオズワルド・グラシアス枢機卿(インド・ボンベイ大司教)が、総会冒頭で説明したもので、それによると、総会は12日から30日まで開かれ、「より良いアジアのために生き、活動する教会の使命を再確認し、現在から未来に向けてその在り方を刷新し、活性化するという大きな責任を負る」としている。

 そして14日までの最初の3日間は、連盟に属する 29 か国のすべての司教協議会代表から、それぞれの国の政治、社会、経済、宗教、およびカトリック教会にとっての現状と課題について説明を聞く。その内容は会議参加者限定で、中継などで公開されることはないが、16日の日曜日に行われるオンラインのトークショーなどで説明される予定。

 17日からの一週間は、それまでの各国からの報告や問題提起などをもとに、アジアの教会に影響を与えている新たな現実について深く考える。これまでの準備の過程では、新型コロナウイルスの世界的大感染、グローバリゼーション、デジタル化、都市化、気候変動、移民・難民、政治的な統治、文化の変容、宗教や家庭についての価値観の変化、若者や女性の役割ーなどが、テーマとして挙げられている。

 同時に、教皇フランシスコがこれまでに出された回勅「兄弟の皆さん」「ラウダ―ト・シ」、使徒的勧告「福音の喜び」「(家庭における)愛の喜び」などについて理解を深め、アアジアの現実についての意見交換の中で明らかになった課題についての対応を考えるヒントを得る。具体的な対応を考える課題としては、家庭の司牧ケアの重視、礼拝、養成などの刷新、オンラインの活用、対話、平和構築、和解、若者への対応の強化、教会における女性の役割の向上、諸宗教間の対話、シノダル(共働的)な教会の統治のあり方などが想定されている。

 23日の日曜には、参加者たちがアジア諸国のさまざまな小教区を仮想訪問し、福音宣教の現場での問題などへの認識を深め、総会での話し合いが単なる理論的なものにとどまらず、現場に密着した、愛ある奉仕を通して”王国の構築”につながるようにする。

 24日からの最後の週は、「より良いアジアのために働く教会」に向けた新たな道を見極め、思い描くことに費やされる。専門家が新しい方法論を使って参加者たちを導く。

 グラシアス枢機卿は冒頭説明で、「私たちは、アジアの人々の奉仕において、予言的で、関連性があり、応答性の高いアジアの教会になることを約束する」とし、30日の閉幕には、声明と最終文書を出し、「アジアにおける教会の道の新しいビジョンを明確にする」と述べた。ただし、この総会をもって取り組みは終わるのでなく、今後の FABC 中央委員会の年次会合、来年3月のアジア大陸会議で、アジアの教会の新たな道筋と方向性についてさらに検討を加える。

 

することを約束します。私たちの最後の FABC 50声明は今後数か月で取り組まれ、新しい道筋を実行に移し、今後数年間、そして次の10年に向けてアジアの教会を活性化することに専念します.

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2022年10月13日