枢機卿顧問会議、教皇庁組織改革を協議、教皇に提言

 (201612.14)  教皇庁のグレグ・バーク報道官が14日発表したところによると、枢機卿9名で構成する教皇顧問会議が12月12日から14日にかけてバチカンで開かれた。

 会議では、教皇庁の諸機関改革のガイドラインとして宣教の推進とSynodality(司教会議性)の二つの課題が大きく取り上げられ、教理省、奉献・使徒的生活会省、列聖省、キリスト教一致推進評議会 に関する検討を終えて、最終答申を教皇に提出した。 

 また、既存の機関の統廃合によって新設されることになった二つの機関の計画についても相当の時間をかけて協議した。

 まず、9月1日にこれまでの信徒評議会と家庭評議会を統合・再編する形で発足した「信徒・家庭・生命省」については、長官に就任したケビン・ファレル枢機卿が報告したのを受けて、主として、信徒の役割について意見交換がされた。

 また、現在の正義と平和評議会、開発援助促進評議会、移住・移動者司牧評議会、保健従事者評議会の四機関を統合・再編する形で新年1月1日に発足予定の「人間の統合的発展に奉仕するための省(仮訳)」の活動計画は、初代長官に予定されるピーター・タークソン枢機卿らから説明があった。

 さらに、ショーン・オマリー枢機卿が担当の弱者保護評議会の直近の活動について、ジョージ・ペル枢機卿が担当の財務事務局の最新の進展について、それぞれ報告した。

 最終日14日の午後は、広報事務局のダリオ・ビガノ長官から教皇庁の情報・通信関係の機構改革について、職員の教育と合わせて具体的な説明があった。

  次回の顧問会議は新年の2月13日から15日に予定している。

 (「カトリック・あい」による補足)

  また、一部で注目されていた、さる4月に教皇が公布した使徒的勧告「愛の喜び」の解釈を巡って、保守派枢機卿4人が教皇に批判的な質問状を送り、それを公開した問題については、全く議論されなかった、という。 

 枢機卿顧問会議は、教皇フランシスコが教皇就任直後に全世界の120人の教皇選挙権を持つ枢機卿の中から世界各地域を代表する形で選んだ9人の枢機卿で構成され、教皇が世界の教会、教皇庁のあり方についての重要課題について協議、教皇に提言する機能を持つ。教会改革の推進にCollegiality(司教の協働性)とSynodality(司教会議性)を重視する教皇の姿勢の具体的な表明でもある。なお、長期にわたって枢機卿の任命のない日本からは、この会議への参加はない。 

 上記の二つの新機関については、今年8月に教皇フランシスコがそれぞれ使徒的書簡を出す形で、設置が決められていた。

 「信徒・家庭・生命省」については、教皇が書簡で「思いやり深い母としての教会は、常に、長き世紀にわたり、信徒、家庭、命を大切にし、いつくしみ深い救い主の愛を表してきました」とし、信徒と家庭と人間の生命が「福音の生きた証し、あがない主の愛の表現」となるよう、これらを支え、助けることを望まれ、今日の状況を考慮すると同時に、教会の求めに適合したこの省の重要性を強調された。

 また、「人間の統合的発展に奉仕するための省(仮訳)」について、教皇は書簡で「教会は、その本質と活動において、福音の光に照らされた人間の統合的発展を推進するよう招かれている」とし、これらの発展は正義、平和、環境保護といった計り知れない善を大切にすることを通して実現するものだ、と述べ、「医療や支援事業も含め、教皇庁におけるこれらの分野に携わる組織の適合化を図るために、人間の統合的発展に奉仕するための省を設立する」とされた。新たな省の機能として、「特に移民・難民、貧しい人々、病者、疎外された人々、紛争の被害者、自然災害の被災者、受刑者、失業者、あらゆる形の隷属や拷問の被害者らの問題に対応する」ことを望んでおられる。

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2016年12月15日