(2016.12.8 Tablet クリストファー・ラム)
バチカンが新たな聖職者養成指針「The Gift of the Priestly Vocation」 を発出した。新指針は、司祭見習い者は聖職権主義―ミサ典礼と神学上、あるいは規律上の思い込みの強迫観念―を排除し、強靭な霊的形成を進めなければならない、としている。
91ページのこの指針は、神学生が成熟した司牧者となることを確たるものとする狙いの一方で、教会内部で異論のある男性同性愛者、あるいは”同性愛の傾向をもつ人物”の叙階禁止について改めて念を押している。 この内容は、教皇フランシスコが2013年に男性同性愛者の司祭について問われた時の”裁きをする私は誰なのか?”という同情的な答えと食い違いを見せており、禁止の確認はLGBT(同性愛者など性的少数者)のカトリック教徒から反発を受けているが、この文書は教皇が署名しており、全世界の司教たちとバチカンの関係庁との二年間の協議をした上で出されたものだ。
新指針は、世界各地の固有の文化・習慣をもつ共同体からの召命、移民、児童保護、司祭候補が十分な成熟に達して叙階されるようにすることの確認など、幅広い分野にわたっている。
この中で特に強調されているのは、司祭が奉仕すべき人々に対して傲慢な態度をとるような、聖職権主義を排除することだ。教皇フランシスコは羊の群れに”威張り散らす”ような聖職者を、繰り返し公然と非難しているが、指針は「これから司祭になるものは、聖職権主義の餌食にならないように、大衆迎合的な生き方をする誘惑に陥らないように、教育されねばならない」としている。
また指針は「個人的な外見、神学上や規律上の思い込み、自己陶酔や、権威主義」にとらわれないように、「ミサ典礼、虚飾、個人主義を伴った派手な仕草に没頭し、他人の言うことに耳を貸すことができない」ようにならないように警告している。
指針全体を通じて、司祭見習いが叙階される前に、現場での司牧経験を含めて、識別の個人的な道をたどることを強く勧めている。また勧告として、神学生が、神学校とは別の集団の中で、”事前形成”を図る時期を最長二年過ごすこと、としている。これはイングランドとウエールズでは既に行われているもので、スペインのロイヤル・イングリッシュ・カレッジに、司祭になる是非を判断する第一段階として、入学させている。
新指針は、これが世界中の教会で従来の指針よりも幅広く使われるよう期待し、本人たちが、早い段階で、将来,司祭になるか別の道を歩むかの判断をする助けにすることを求めている。