使徒的勧告『愛のよろこび』めぐる対立に教理省長官が警告(tablet)

(2016.12.5 TABLET クリスタ・ポングラッツ・リピット)

 バチカンのゲルハルト・ミュラー教理省長官が使徒的勧告「愛のよろこび」の解釈を巡って起きている対立を批判するとともに、批判ではなく建設的な議論をするように要請した。

「今大事なことは、われわれ一人ひとりが前向きに取り組むことだ。分裂や対立の引き金を引くようなことを許してはならない」。ミュラー長官は12月1日に行われたオーストリアのカトリック通信社との会見で強く訴えた。長官はまた、教皇の意向を受ける形で、保守派枢機卿四人が9月19日付けで教皇フランシスコに送り、回答を得られないとして11月中旬に公表した”使徒的勧告に疑問を呈する書簡”に答えるつもりはない、と言明した。

米国のレイモンド・バーク枢機卿ら4人はこの書簡で、教皇に対して、使徒的勧告が離婚して民法上の再婚をした人々に聖体拝領を容認しているように解釈できることに疑問を呈し、その是非を明確にするよう求めていた。これに対して、長官は直接答えることはせず、使徒的勧告が歴代の教皇と教理省の教えを打ち消すものでないことを強調した。

 婚姻の不解消は「司牧の揺らぐことのない基盤」で有り続けねばならないが、教皇フランシスコは、危機にあるすべての家族が「神の慈しみをもって一致の道を見つける」よう助けることを望んでおられる、と述べた。

このような教理省長官の発言の一方で、バチカンのピノ・ビト・ピント控訴院長は12月1日付けのドイツ教会のインターネット新聞との会見で、こうした批判を収め、祈ることを求め、「教皇フランシスコは、教会が一致し、壁を作らないように力説されている、と語った。四人の枢機卿がこのような書簡を教皇に送ったことは合法だが、回答が得られないからといって、書簡を公開したのは「平手打ちを食らわす」ような行為だ、と批判。枢機卿たちは教皇に忠誠であらねばならない、とし、「教皇を支えるのが義務だ」と言明。

 また、4人は教皇に不満を持つ多数の信徒の一角に過ぎない、との見方に対しては、「それはメディアが言っていることだ。我々は事実にもとづいて判断せねばならない。教皇が勧告を出す前に二度にわたる全世界司教会議(シノドス)を開いて、四人の意見も含めて世界の教会の声を聴かれ、勧告の内容について三分の二以上の同意を得た、という事実だ」と強調した。

(抄訳・南條俊二)

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2016年12月7日