(2016.11.26)
教皇庁は25日、新たに設置された「女性のdeaconに関する調査委員会」の初会合を教理省で開いた、と発表した。
二日間にわたる会合には女性を含む聖職者、一般信徒代表など12名の委員が出席、委員長のルイス・フランシスコ・ラダリア・フェレール大司教・教理省長官が司会して行われた。会合では、キリスト教会の初期の数世紀に女性deaconの実態がこのようなものであったのか、について調査し、意見を交換する予定。
教皇フランシスコは、5月12日の女子修道会の世界会議の出席者との会合で女性の終身deacon復活の可能性について問われ、この問題を調査する委員会の設置を約束。これに従って、教皇が8月に委員会の設置を発表していた。委員会の構成は、8か国の男女6人づつ、うち5人はローマにある教皇庁立の大学で教鞭をとっており、4人は国際教理協議会のメンバー。
注・「deacon」は、ラテン語でdiaconus,ギリシャ語でdiakonos。初代教会で生まれた職務の一つ。元の意味は「奉仕する者」「食事を給仕する者」。奉仕職には「長老」「執事」などがあったが、次第に統合されて2世紀以降は司教、司祭につぐ「助祭」という位階制が出来上がっていった。古代教会では、助祭はとくにミサで司教を補佐し、教会共同体の物質面の管理、貧しい人や病人の世話をした。中世以降、カトリック教会では男性に限られるようになった。日本語では「助祭」と訳されているが、現在の「助祭」と、女性も勤めていたと言われる初代教会のdiakonosは必ずしも同じ性格、意味合いのものではなかった可能性もある。(カトリック・あい・南條俊二)
解説「女性deaconの道、開かれるか」(2016.11.25 Tablet クリストファー・ラム)

女性deaconを認める可能性について検討する教皇の委員会が11月25日にローマで作業を開始した。委員会はカトリック教会における女性の役割顕在化させる道を開く可能性がある。 この委員会が、初期教会で女性がdeaconとして叙階されていたと判断すれば、女性のdeacon職を回復する道が開かれるだろう。この問題について、これまで多くの議論はなされてこなかった。ほとんどの神学者は女性がdeaconとしての「公的な職務」を持っていた、と認識しており、この委員会にも、神学者のフィリス・ザガノのような女性deacon回復を強力に支持するメンバーがいる。
問題となるのは、聖書の時代から女性deaconは男性の場合と同じやり方で叙階されていたかどうかだ。2002年に教皇庁のある委員会が、そのようなことはなく、まったく違っていたとみるべきだ、としていた。今回の委員会は、3年前にドイツ司教協議会の当時の会長が示唆したように、教皇が特別な「女性deacon室」の設置を提案することになるかもしれない。あるいは、女性deaconを横に置いてしまうかもしれない。
女性deaconに反対する人々が一番心配しているのは、女性がローマンカラーを付け、司教を補佐する伝統的なdeaconな役割を果たすようになることだ。一方で、教皇は「一般信徒の聖職者化」にならないように警告しており、そのようなことが女性に起きることの危険性を予想しているのかもしれない。
だが教皇がどのような判断をしようと、初期教会で女性がdeaconを務め、彼女たちが叙階されていたことを示す強力な証拠がある。今年初めにでた学術的な文書で、イエズス会士で権威のある神学者、ノーマン・タナー元グレゴリアン大学教授は女性deaconの「叙階」について話し合われたカルケドン公会議(451年)の正典15を挙げ、「女性deaconは教会の歴史の中で創設後1000年の間続いており、カトリック教会と東方教会の伝統の一部をなしている、と主張している。タナーはまた、女性が幾世紀もdeaconと認められなかったが、一度も不可能として排除されなかった、と指摘。「結論は、カトリック教会が位階制の三つの段階の一つ、すなわちdeaconから女性を排除しないように慎重な態度を取ってきた、ということだ」としている。
当然ながら大きな問題は、仮に委員会が過去において女性deaconが存在したと判断した場合、「女性deaconを認めるいかなる動きも男性のみが司祭に叙階できるという教えに混乱をもたらす」とする保守派の避けがたい反発を、教皇が積極的に抑えようとするかどうかだ。
委員会設置という、そもそも十分に勇気のいる判断をしたことは、フランシスコが弾に噛み付き、行動を起こす準備をしているように見える。ローマのたくさんの階層の人々には、女性が教会の指導的立場にもっと立てるようにする必要があるという考え方が増えている。そして、最近の同僚のイエズス会士たちとの話し合いの中で、教皇は、カトリック教会がリスクを取る必要があるとし、「今日、これまでよりももっと、私たちは勇気と預言者的大胆さを持たねばなりません」と語っている。
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(翻訳・南條俊二=以上は、イギリスのイエズス会が発行する世界的に権威のあるカトリックニュース週刊誌TABLETの発行責任者の許可を得て、ウエブサイトから翻訳・掲載しています。TABLETのウエブサイトはhttp://www.thetablet.co.ukです。こちらもご覧下さい)