5月にロザリオを祈る:配信第三週目
2021年05月17日
教皇様の呼びかけに応えて、5月中に祈りを続けるロザリオの祈りの第三週目です。教皇様は昨年5月24日に、回勅「ラウダート・シ」発表から5年となることを記念して、この16日から24日までを「ラウダート・シ」週間とし、さらに5月24日までを「ラウダート・シ」特別年と定めて、総合的エコロジーの観点からともに住む家である地球を守ることの大切さを自覚するようにと呼びかけられています。
間もなく5月24日でその特別年が終わるにあたり、この一週間をあらためて「ラウダート・シ」週間とするようにと、タークソン枢機卿が責任者である教皇庁の人間開発促進の部署から呼びかけられています。これには国際カリタスも協力しております。
今週特別に行われる行事については、残念ながら日本語はなくて英語のサイトですが、このリンクから一覧を見ることが出来ます。
日本の教会では9月を環境を考えるための特別な一か月と定め、「すべての命を守る月間」と名付けています。現在、司教団に特別なチームを設けて、「ラウダート・シ」の精神を日本の教会でどのように生かしていくことが出来るのか、検討をしています。
本日のロザリオの祈りの中で、この「ラーダート・シ」週間のことを心に留め、私たちの共通の家をどのように守っていくのか、考えていただければと思います。
【2021年5月の第三週】
恐れは私たちの心を束縛します。イエスの受難と十字架上での死の後、弟子たちは恐れに束縛されて、部屋に閉じこもりました。五旬祭の日、イエスはその部屋に入り、聖霊を与え、弟子たちの心を恐れの束縛から解放します。
「死」という最大の束縛から解放された復活の主は、「あなた方に平和があるように」と、弟子たちに言葉をかけます。この言葉は、恐れに束縛される心には、神の平和が欠如しているという事実を明確に指摘しています。
神の平和とは、神の秩序の実現です。神が望まれる世界の実現です。
神の平和の欠如とは、「神が望まれる世界とは正反対にある現実」であります。自分の殻に閉じこもり、他者への配慮を忘れた世界には、神の平和がありません。
創世記には、神が人を創造されたときに、互いに助けるものとして共に生きるようにと、二人の人を創造して命を与えられた事が記されています。私たちは互いに助け合うように命を与えられました。いのちを守らず、他者への配慮を忘れた世界には、神の平和がありません。
回勅「ラウダート・シ」で教皇フランシスコは、神が創造されたものは、一つとして他者と関係なく勝手に存在するものはなく、すべてが密接につながっていることを指摘し、こう記しています。
「密接に絡み合う根本的な三つの関わり、すなわち、神との関わり、隣人との関わり、大地との関わりも、引き裂かれてしまいました。この断裂が罪です」(66)
福音を告げしらせるようにと遣わされているわたしたちには、この世界において、三つの関わりが引き裂かれている状態を修復させる務めがあります。神が望まれる世界は、「創造主と人間と全被造界との関係」が修復され、調和が実現している世界であるはず、だからです。教皇様が、総合的エコロジーの課題を強調する由縁です。
複雑に絡み合った現実は、時として、三つの関係の修復を困難にさせてしまいます。不可能とも思える現実の課題を目の当たりにして心が怖じ気づくとき、復活の命に生きておられる主は、聖霊を送り、神の平和をこの世界に実現するように、神の平和を心に取り戻すようにと呼びかけられます。
聖母の取り次ぎを求めながら、この5月の間、皆で共に祈りましょう。
一日も早く、人類が直面しているこの困難な事態が終息するように、また病床にある人たちに癒しが与えられるように、医療関係者の健康が守られるように、経済の悪化でいのちの危機に直面する人たちに助けがあるように、さまざまな事情により命を守るために助けを必要としている人たち、特に海外から来られた兄弟姉妹に必要な助けが与えられるように、さらに政治のリーダーたちがいのちを守るための正しい判断をすることができるように。
そして、すべての人の上に復活の主イエスの守りと導きが豊かにあるように、私たち自身が御子イエスに倣って行動する勇気を持つことができるように、神の母である聖母の取り次ぎを祈りましょう。
【栄えの神秘(日曜日・水曜日)第三の黙想 聖霊、使徒たちにくだる】
主の約束のとおり、マリアとともに祈っていた使徒たちのうえに聖霊がくだります。
聖霊が弟子たちに下ったとき、そこには聖母マリアも共におられ、弟子たちと祈っていました。
聖母は、「お言葉通りにこの身になりますように」と天使ガブリエルに応えたときから、常に心に浮かぶ恐れと闘い、聖霊に導かれて、神の秩序を回復するために闘ってこられました。