バーク枢機卿は”堕胎反対”のトランプ氏勝利を歓迎(TABLET)

  (2016.11.12 クリストファー・ラム TABLET)

 米国の有力な保守派枢機卿は次期大統領にトランプ氏が選ばれたことを歓迎し、「彼の堕胎についての立場は、民主党のヒラリー候補よりも良い選択につながった」と述べている。

 レイモンド・バーク枢機卿はバチカンの前最高裁判所長官だが、「次期大統領にトランプ氏が決まったことは、有権者にとって、堕胎が辛い選択となり、難民受け入れや貧しい人々を助けることよりも重要な争点だった選挙でクリントン候補よりも、”間違いなく”望ましいことだ」と語った。

 本誌に対して枢機卿は、前教皇が就任前の2004年、ラッツィンガー枢機卿の時に、米国の司教団に対して示した「戦争遂行と死刑の適用については”妥当な意見の相違”がありうるが、堕胎や安楽死にそのようなことはない」とした指針を引用して、「堕胎と、移民の福祉の間に道義的な同一性はない」と語った。さらに「仲間である米国の人々が新大統領を選び、近年、米連邦政府を襲っていた腐敗に断固として取り組む 権限を与えたことをとても喜んでいる」と歓迎を表明した。

 教皇フランシスコは、11日発行のイタリアの新聞La Repabblicaのスカルファーリ氏とのインタビューで、トランプ氏が貧しい人々を忘れないように訴え、以前の記者団との会見でもメキシコとの国境に壁を設けて不法移民の流入を防ぐとのトランプ氏の選挙戦での主張に意義を唱えているが、その教皇から、最近、バチカンの最高裁長官から、マルタ騎士団の守護者という名誉職に移動させられた枢機卿は、難民は大切に扱わねばならないが、受け入れの規模について各国は”慎重な判断”をすべきです」と述べ、「移民と難民は区別する必要がある。どの規模の経済難民を受け入れるかは、慎重に扱うべき問題。それについて善意の人々が反対するのは自由です。ただし、人の心は常に、死や恐怖、迫害から逃れようとする、正真正銘の難民には開かれていなければなりません」。

 さらに枢機卿は「わたしは、堕胎と移民の福祉の間に道義的な同一性があるとは見ていない。移民はあなたや私のように神の似姿の中で作られ、尊厳を持って扱われるべきだと思うのは当然ですが、先の二つの問題をひとつの飛行機に載せるのは単純に誤りです」とし、「堕胎は、人間の成長の最も傷つきやすい段階での組織的な殺害です。選挙戦で、トランプ氏は、性的暴行や近親相姦で妊娠した場合、あるいは母体に危険が有る場合を除いて、堕胎に反対すると主張し、クリントン女史は合法的な堕胎を明白に支持していたことを、思い起こす必要がある」と語った。

 なお、民主党には伝統的にカトリック信徒の支持者が多く、オバマ大統領も二度の選挙でカトリック票を得ていたが、今回の大統領選挙では、トランプ氏のカトリック票がクリントン氏を7パーセント上回った。 (翻訳・南條俊二)

 以上は、カトリック修道会・イエズス会がイギリスで発行する世界的に権威のあるカトリック週刊誌TABLETから、発行責任者の許可を得て、翻訳・転載したものです。TABLETのウエブサイトはhttp://www.thetablet.co.uk です。こちらもご覧下さい)

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2016年11月24日