・英で、両親の訴えむなしく呼吸器外し、重病の男児死亡(CJC)

 【2018.4.29 CJC】英リバプールのアルダーヘイ小児病院に重病で入院、人工呼吸器によって生命が維持されてきたアルフィー・エバンスちゃん(1歳11カ月)は4月28日、呼吸器が外され、死亡した。

 父親のトム・エバンスさんと母親のケイト・ジェームズさんは『フェイスブック』で発表した声明で、「午前2時30分(日本時間同日午前10時30分)私たちの息子に翼が生えた(天使になった)。私たちは悲しみに打ちひしがれている。これまで支援してくださった皆さん、ありがとう」と述べた。

 アルフィーちゃんは、まれな神経変性疾患で慢性てんかん発作があり、206年12月から入院していたが、人工呼吸器停止が死に直結する状態だった。両親は、アルフィーちゃんの延命を『フェイスブック』で呼び掛け、病院がアルフィーちゃんの人工呼吸器を停止しようとするのを阻止し、治療継続のためにイタリアのローマにある小児病院に転院させるため、司法にも訴えてきた。両親は、裁判所が延命治療の中止を支持する判断を下した後も、最高裁に対して再審請求していたが、最高裁は20日請求を棄却した。人工呼吸器は23日に取り外された。

 教皇フランシスコは28日、『ツイッター』上で、アルフィーちゃんの死の知らせに「深い感傷を覚えている」とコメントした。教皇は「私は小さなアルフィーの死に深い感傷を覚えている。父なる神が彼を優しい抱擁で迎え入れる今、特に彼の両親のために祈りをささげる」と投稿した。教皇はこれまで数回にわたりアルフィーちゃんに言及した。これが世界中で反響を呼び、イタリアとポーランドでは祈祷集会が行われた。

 アルフィーちゃんの父親は18日、バチカン(ローマ教皇庁)で教皇と面会し、「息子を救ってほしい」と嘆願した。教皇は、両親の「新しい治療法を探したい、という願いが聞き入れられること」を望んでいるとツイートし、「生まれてから自然な最期を迎えるまで、命の主は神だけであり、われわれの務めは命を守るために万事を尽くすことだ」と強調していた。□

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2018年5月2日