(2019.3.17 カトリック・あい)
フランスの大司教が既婚男性の司祭叙階を公に支持、既婚男性が司祭になる手立てについて検討されるべきだ、との考えを明らかにした。
ポアティエ教区長のパスカル・ウインツェ大司教(59)が8日放送された仏リヨンのラジオ局RCFの番組の中で語った、として、15日付けのフランスの有力カトリック・インターネットニュースLaCroix(https://international.la-croix.com)が伝えた。
それによると、大司教は「私は独身を選び、それが私という人間に合っています… しかし、東方教会では、既婚者が司祭になることができ、ずっとその職を続けています」と指摘。東方教会の既婚司祭たちは、これからも、家庭を持ちながら、聖職者であり続けられる、とし、「日曜日には彼らはミサを捧げ、祈り、福音を説きます」と述べ、さらに、女性たちも、ミサは捧げることはできないが、もっと頻繁に説教ができるのが望ましい、との考えを示した。
また大司教は、フランスも含め世界中で深刻な問題になっている司祭による性的虐待問題に関連して、司祭と司教について「神聖な人格」として考えらていることに疑問を呈し、「人々の中には、キリスト教徒のロジックで見ている人がいますが、実際には司祭あるいは司教(だからといってそれだけで)は神聖な人物となりません…。私たちは宣教への特別の奉仕に呼ばれた者たちです。どの人も神聖であり、司祭だけが神聖、ということはないのです」とも述べた。
大司教はこの後、LaCroixとのインタビューにも応じ、既婚男性の司祭叙階を支持することに関連して、「教会にかかわる既婚男性を叙階できれば、(司祭不足から)ミサができなくなった所でも、ミサが再開されるのが可能になりえます」と述べた。
ただし「このことは、独身男性が司祭になることをあきらめるのを意味しない」とも語り、「今日、私たちが直面している主要課題は、司祭の養成であり、いかに彼らを人間的にバランスし、霊的に成熟した司祭にするか、ということです」と強調した。