・「女性が司祭になるのは全く自然なこと」とベネディクト修道会の女性リーダー言明

(2019.3.19 カトリック・あい)

 ドイツの最有力女子修道会のトップが、カトリック教会が女性を司祭叙階から排除していることに強い疑問を呈した。

 18日付けのフランスの有力インターネット・ニュースLa Croix International newsletter@international.la-croix.comが、独バイエルン州トゥッツィングのベネディクト女子修道院のルート・ショーネンベルガー院長が独カトリック教会の公式ウエブサイト katholisch.deとのインタビューで語った内容を伝えた。

 その中で、シスター・ショーネンベルガーは「女性たちが司祭のなることは全く自然なことです。どうして認められないのか、その理由が理解できません」と語り、「キリストの現存が男性だけに帰してしまっているのはおどろくべきこと… 私たちのいるトゥッツィングには、とても優れた女性の神学者たちがいます。彼女たちに欠けている唯一のものは、司祭叙階。それ以外には何も欠けたところはないのです」と訴えた。

(YouTube photo)

 彼女が2015年から院長を務めているこの女子修道院は、全世界のベネディクト女子修道会の修道院の中で最重要の一つ。1885年にトゥッツィングのベネディクト会のシスターたちが創設し、これが本部となって、現在では世界19か国で1300人のシスターが活動中。ショーネンベルガー院長は、70人のシスターがいるトゥッツィングの修道院のほか、もう二つの修道院のトップを兼ねている。

 院長は、司祭職の適否を判断する基準は一方の性に置かれるべきではない、とし、「私たちが司祭職に持っている考えを根本的に改めることは、緊急の課題。司祭たちが、現在の状態に批判の声を上げないのは、まったく驚くべきことです」と訴えた。

 さらに「世界中のこのような(注:男女聖職者の間の)力の不均衡は本当に憂慮すべき状態。それに対応することを学んでこなかったのは残念なことです。しっかりと対応せねばなりません」として、不均衡是正へ具体的に踏み出すための開かれた話し合いの場を持つよう関係者に呼び掛けた。院長はすでに、シスターたちとそうした議論を頻繁に行っている、という。

 「結局のところ、私たちは毎日、従属の見本を経験しているのです。修道女のグループとして、私たちがともにミサを捧げたいと思えば、現状では、男性に来てもらわなければ、一日たりとも、できない。彼は祭壇に立って、ミサを主宰します。私たちにはそれが認められません」と現在置かれている立場を説明。「私たちは、自分たちに合った、ミサ典礼を求め、新しい形を工夫したいのです」と訴えた。

  ベネディクト会のファール(スイス)女子修道院のイレーネ・ガスマン院長は先月から、「男女の平等を求める祈り」を始めているが、ショーネンベルガー院長と彼女の修道院はこの運動を全面的にサポートしている、と述べた。ガスマン院長は、全世界のベネディクト修道会、そして教会や他の修道会に、この祈りへの参加を求めているが、ショーネンベルガー院長はこれだけでは不十分としたうえで、「なぜ、教会の中で男女平等を祈らねばならないのでしょうか。一番大事なのは、改革についてのすべての議論は神に捧げられるべきものだ、ということです」と語っている。

 

 

 

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2019年3月19日