♰「パウロの時代から現代までキリスト教信仰が続いてきたのは一般信徒の力」

Pope Francis at the General AudiencePope Francis at the General Audience  (ANSA)(

(2019.11.13 Vatican News Lydia O’Kane)

 教皇フランシスコは13日の一般謁見で、先週に続いて使徒言行録を題材としたカテケーシスを続けられ、今回は、パウロのコリントへの宣教の旅とともに、雄弁家アポロのプリスキラとアキラという敬虔な夫婦との出会いの箇所(18章24節以降参照)を取り上げ、キリスト教徒的なもてなしの模範として説明された。

 この夫婦は、ローマ皇帝クラウディウスがユダヤ人の追放を命じた後、ローマからコリントに強制的に移動させられたが、彼らのように、ユダヤ人たちは、長い歴史の中で「住んできた場所から追放され、多くの残虐行為に苦しんできました」と教皇は語られ、「ユダヤ人への迫害は、あちこちで形を変えて繰り返されています… 彼らは私たちの兄弟。迫害されるべきではありません」と強調された。

 そのうえで、教皇はこの夫婦のもてなしの話に戻り、夫婦の家は使徒だけでなく、キリストの兄弟姉妹にも開かれていたことを指摘。関連して、パウロが、「教会の家」、神の言葉を聴く場、聖体を祝う場となる「家に集まる共同体」について、どのように語ったかを説明し、「今日においても、信教の自由、キリスト教徒としての自由のない国々では、キリスト教徒たちは、祈り、聖体を祝うために、隠れて集まっています」とされた。

 また教皇は、「パウロやアキラ、プリスキラの協力者たちの中に、キリスト教共同体全体の奉仕に責任をもってかかわる夫婦のいくつもの模範が生まれました。彼らのような数多くの一般信徒の信仰と福音宣教への専心のおかげで、キリスト教の信仰は私たちまで続いてきたのです」と強調。

 最後に、ご自身の前任者であるベネディクト16世の言葉を引用して「キリスト教は最初から、一般信徒によって説かれました。一般信徒のあなた方も、洗礼を受けたがゆえに、信仰を引き継ぐ責任があります」と締めくくられた。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

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2019年11月13日