(2020.4.1 VaticanNews)
教皇フランシスコは1日、水曜恒例の一般謁見を、新型コロナ対策のためバチカン宮殿図書室からの動画配信の形で行われ、新約聖書のイエスの「山上の説教」の「八つの幸い」をテーマにカテキーシスを続けられた。
その英文要約の日本語訳は次の通り。
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親愛なる兄弟姉妹の皆さん。「イエスの山上の説教の八つの幸い」(マタイ福音書5章2⁻12節)の、今日は6番目の幸い(8節)に目を向けたいと思います。ここは、「清い心を持つ人は、神を見る」という約束の箇所です。
「神を見る」とは、「神と個人的な関係を持つ」ことを意味します。これには、私たちの心の奥深くを見、神の場を作ることが必要です。聖アウグスチヌスが言っているように。「あなたは私の最も奥の部分よりも、もっと私の内におられました」(「アウグスチヌスの告白③6章11節)。
しかし、多くの場合、エマオへの道を歩んでいた弟子たちのように、私たちの心は、動きが遅く、愚かです。「神を見る」ためには、浄化のプロセスが必要です。そうすることで、私たちの心は、神の臨在を見えないようにする罪から解放されます。これには、悪と縁を切り、聖霊が私たちを導いてくれるのを可能にすることが必然的に伴います。
「神を見る」でさらに大事なことは、神の被造物の中に、教会の秘跡の中に、そして私たちの兄弟姉妹、特に最も貧しく、最も助けを必要としている人々の中に、神を認識することです。神に心を清めていただくなら、神は、私たちを最終的に、幸せ輝く世界ー天の王国のあふれる喜びと平和を満喫するところーに導いてくださるでしょう。
信徒の方々、特に今日の一般謁見に参加を計画されていたいくつもの団体の方々に、心からの挨拶をおくります。私はあなた方に感謝し、常に熱心に信仰を生き、苦しい時にあっても、イエスにおいて希望を失わないように、あなた方を励まします。
最後に、私は若者、病める人、年配者、そして新婚の夫婦の皆さんに挨拶をおくります。私たちが今過ごしている四旬節の最後の期間が、主の復活を祝うためにふさわしい準備の時となり、一人一人がもっとキリストを身近に感じることができる時となりますように。皆さんに神の祝福がありますように!
(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)